2020年3月10日コロナ大暴落のその先を大予想

2020年3月10日サイトについて

混乱の始まり

2019年12月に新型コロナウイルスが武漢で広がり始めてから、現在に至るまでわずか3か月。コロナウイルスは世界中に広がり、大パニックの様相となっている。株の値動き、不動産の価格、人々の動揺など、現在の状況を記しておくことは、後で振り返ったときに多くのインサイトをもたらすのでここに記しておきたい。

まず、コロナウイルスが中国武漢で広がり始めてから3か月の間に中国では8万人が感染。1月末の旧正月の期間、日本はコロナのリスクを認識しつつも、国境閉鎖などは行わず。その後、韓国、日本、イラン、イタリアなどの国々でコロナが流行し始めた。イタリアでは1600万人が居住するエリアを丸ごと封鎖。各国で人の動きが停滞し始めた。

また、アメリカ、ヨーロッパにもコロナウイルスが拡大し始め、ニュースは連日コロナウイルスの脅威を報道し続けている。

株価・原油・金などの資産の動き

そんな混乱のさなか、NYダウは3月9日に2000ドル超大暴落し、史上最大の下げ幅となった。すでに数日前から1000ドル超下げるなど、不穏な動きを見せていたが、ここにきていよいよ下げ幅が拡大してきた。

元々、リーマン後10年以上にわたり株価が上げ続けてきたので、いつか調整が来る、とは言われ続けてきており、市場関係者の間でも半ばそれはコンセンサスのようになっていた。ただ、皆まだ先、まだ先、と思いながらババ抜きをやっていたような印象がある。

ここにきて、コロナの流行がそのスイッチを押したと言っていいだろう。

株価が暴落する一方、原油も大暴落している。NY市場のWTIは先週末から30%以上下げて27ドルに到達。コロナの流行により物流等が停滞し、各種需要も減少し始めていることから、原油需要が下がることが見通されることに加え、OPECでの減産合意形成が不調に終わり、サウジアラビアが増産を決定したことで、細る需要に反しての供給増加が、原油価格の大暴落を引き起こすこととなった。

一方、安全資産である金の価格は日々上昇を続けており、有事の金、がまさに実証されている状況にある。

2018年2月にも株価は大暴落したが、その時の株の値動きや行動からの学びは多いので、今一度過去の経緯は一読することをお勧めしたい。

http://lehmanportal.com/2018/02/05/2%e6%9c%885%e6%97%a5%ef%bc%88%e6%9c%88%ef%bc%89%e3%83%96%e3%83%a9%e3%83%83%e3%82%af%e3%83%9e%e3%83%b3%e3%83%87%e3%83%bc%e6%88%a6%e8%a8%98/

債券市場の動き

世界の株式市場はNYの3500兆円、日本の500兆円など全部足し合わせるとだいたい8000兆円くらいの市場規模がある。一方、債券市場は1京を遥かに上回る巨大市場である。

投資証券会社は株より債券の売買のボリュームがはるかに大きく、株と債券の額を調整しながら日々利益を上げている。

景気が良い時には株を買い進めるが、市場のリスクが高まってきた際には、より安全性が高い(相対的に利回りは低い)債権を求めるようになる。債権が買われれば買われるほど、債券価格は高騰するため、利回りはどんどん下がってくる。

債券市場において指標とされるのが、米国10年債と30年債であり、利回りが2%を下回ると、機関投資家が将来的なリスクを見越して安全資産である債券に買いを集中させている、といっていい状況にある。

実際、2008年のリーマンショック時に利回りは4%程度あったが、2012年頃までに1%まで下落。その後2018年には3%迄盛り返してきていたが、その後急落を続け、今では0.5%とこれ以上下げようもない水準まで下がってきている。

つまり、機関投資家はこれまでの長期の好景気がどこかで終わる事を見越して安全資産に資金を移動させている、といい得るだろう。

不動産価格

不動産価格は株式市場や債券市場のように急激に動くことはなく、色々な環境変化を受けて緩やかに動くので現時点で特段の影響は見られない。リーマンショックの際には、金融機関が完全に融資をシャットアウトしていたが、現状どこも融資を閉じ始めた、とは聞こえてこない。

リーマンショックの場合、大手金融機関、投資会社が劣悪債務者の債権を証券化した証券を大量に保有しており、それらが価値を失う過程で、金融機関が多額の損失を計上。アメリカのリーマンブラザーズは固より、ヨーロッパの銀行なども連鎖的に債務不履行に陥り、貸し付けや出資金が吹き飛ぶことで、金融機関の格付けや株価が暴落。それにより、連鎖的に各国の銀行などが影響を受け、銀行は貸し倒れに備えて貸し倒れ引当金を積み上げる過程で融資を絞った。

これにより、銀行から市中企業への融資が止まり、中小がバタバタ倒れていった、という歴史がある。そして、不動産融資も止まった為、買えない人が続出し、利回りがどんどん上がっていった(不動産価格が下がった)という経緯である。

一方、今回はまだそのような兆候は見受けられず、信用不安は連鎖していない。

コロナ騒動の終息見通しと今後

感染力の強さや治癒性の低さから、実体経済に影響は出ているが、コロナの致死性の低さが市場で認識されはじめれば、徐々に騒動は収まっていくとみる。また、検査キットと治療薬の開発により安心感が広がる可能性は高い。

リーマンショックの時は、実態と乖離した金融商品であるジャンク債のババ抜きを繰り返していた為、いつか誰かが引っかかる、という状態であった。しかし今回は、ウイルス拡散の恐怖、経済先行きの見通しの悪さによる不安感が株価等を暴落させているにすぎず、霧が晴れれば、実態経済の底堅さが確認されて株価含めて戻ってくることだろう。

また、機関投資家含めて長く続く株価上昇が一服する局面を誰もが求めていた、という環境も見逃せない。市場は美人投票であり、実態とは別に環境や雰囲気に大きく流される。

今回のコロナ騒動は、誰もが調整局面を求めていた中に飛び込んできた熱いウイルスなのである。皆が飛びつき、皆で調整を体感する。そんな必要な局面が来るべくしてきて、その瞬間を共有している、という事である。

この局面は最低2か月は共有されるべきであって、おそらくそれくらいは続くことだろう。そして、その恐怖の底で誰もが諦め、誰もが相場に関わりたくないと思い、関係者が息絶えたようになったとき、この時こそが大きなチャンスとなる。

今はその時ではなくまだまだ下がる局面なので、手持ち現金ポジションをしっかりとホールドして時を待ちたい。大きな損失を出した2018年のリベンジをここで果たしたい。


この記事を書いた人
りーぶら
りーぶら30代、都内在住、男性。

大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」

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