起業や新規事業を立ち上げに必要な能力とは?Vol2 スキル編
第一回の記事にて、起業や新規事業を立ち上げるのに必要な能力について書いたので、未読の方は以下をご参照されたい。
第一回の記述で、必要な能力とは、一言で言えば、人生に対するビジョンであり、でっかい志であるとと説いた。世の中にあふれている啓もう本だと、小手先のテクニックばかり書いてあって本質的に必要な事が書いていないが、ビジョンや志こそが、物事を成し遂げる為に何よりも必要なものである。
では、志だけあれば良いかというとやはりそうではなくて、一定のスキルが必要となる。
それでは第2回となる今回は、どのようなスキルが求められるかについて書いていきたい。と言っても、スキルを列記し始めるときりがないので、最重要スキルであるコミュニケーションスキルに絞って書きたい。
スキルを身に着ける前提:スキルは複合的に発揮されてこそ効果が得られる
よく、啓もう本を読むと、大きな声ではきはき話すと良いでしょう、とか書いてあるが、あまりに部分的にとらえていて本質をついていない。夫々のスキルは独立したものでなく、複合的に発揮される事で掛け算の効果が生まれる。
例えば、幾らロジカルなスキルをもっていても無表情でぶっきらぼうに語れば、相手に伝わるものも伝わらなくなる。ロジカルなうえに、相手の話に共感しつつ、明るく溌溂とした姿で、真剣な姿勢を示す事が相手を説得したり共感を得るには必要だろう。
更に、会った時にパリッとしたスーツを着て、嫌味にならない程度の香水の香りを漂わせ、相手の家族を気遣った手土産を渡しつつ、コートは裏返して横に置く。こんな1つ1つのしぐさがあって、ロジカルさなどが加われば、抜群に説得力が増してくる。
ただ、色々スキルが必要と書いてしまうと、もう何をすべきかわからなくなるので、最重要なスキル2点を挙げたい。
最重要なのに、見落とされがちな、接点マシマシスキル
商談等のコミュニケーションは相手にアポを取るその瞬間から、勝負は始まっている。。。と思うかもしれないが、それは間違っている。コミュニケーションとは連続的且つスムーズに行われてこそ、お互いが違和感なく接する事が出来るものである。
つまり、久しぶりに連絡してくる人の営業は「売り込み」と思われるが、いつも会話している相手の営業は「お勧め、ご紹介」になりやすいという事である。
常日頃から接点マシマシ、ヤサイスクナメ・・・ではなく、接点を多くしておくと、商談のスタートラインが全然違うという事である。よく、営業の現場では、接点を増やすために用もないのに会いに行くのが大事、用事を考えるのが仕事、なんていわれたりする。
これは正しいが、発想としてはかなり旧態依然としているだろう。
最近はメールだけでなく、チャット、ラインなどが普及してお客さんとコンタクト取りやすい環境が整っている。よって、例えば、お客さんたちを複数名巻き込んだグループラインやBccグループメールを自分なりに作ってしまうのは一つの手である。
ポイントは、組織として昔から発信している情報を引き継いで作業的に発信するのではなくて、自分なりにオリジナルの情報を集めてきて、それを発信するという点にある。
これにより、自らの商品知識や法令等への知識が高まっていく上に、お客さんからしてみれば、いつも自分の事を意識してくれていると必ず思う。会っていなくても、日々会っているかのような効果が得られて、商談などの際のコミュニケーションが圧倒的にやりやすくなるのでお勧めである。
報連相からの巻き込みスキル
日頃から接点を増やすのがコミュニケーションにおいては最も重要だが、それと並んで重要なのが報連相スキルである。
いやいや、そんなの社会に出たときから耳にタコが出来る程聞いてきたので知ってるよ、上司にはちゃんと報連相してるよ、と思ったあなたは営業マン、若しくは社会人としては、さまようよろい、ぐらいに平凡なキャラに過ぎない。
報連相とは、人を巻き込んでいく際に最も使える技術である。例えば、とあるプロジェクトがあったとして、若干関係が出てきそうな人に対してさりげなく報連相しておく。上司とかは関係なく、部下だろうが、後輩だろうが関係なく、ご報告・ご相談させて頂くのである。
当然、自分の意見を聞きにくる相手は、先輩・後輩問わず可愛いもの。そんなこんなを繰り返すうちに、ある日その人の力を借りる日がやってくれば、実に簡単に力を貸してくれる。
上級テクニックとしては、報連相した相手の先の先を読んで、あたかもビリヤードの球が連鎖反応を起こすかの如く目標を落としていく、という技もあるが、相当難易度が高いので、さまようよろいクラスの人達は、まず上司とか関係なく報連相する、という技術を身に着けるのが肝要だろう。
この技術は、1番目に説明した接点マシマシ スキルとリンクする部分もあるので、是非ともお勧めしたい。
その他のスキル
他にも色々スキルはある。
・説得力
・プレゼンテーション力
・ロジックを組み立てる力
・相手を否定せずに共感を得る力
・おだて力(相手の自尊心をくすぐる。その為には相手が欲しいものを理解する必要あり)
・分析力
・反射神経
・人脈
・威圧力(威圧して優しくして、落としどころにもっていく)
・掛け算する発想力
・相手のニーズを探るスキル
・セルフコントロール
(自分の感情のコントロール。その為の体調管理や周囲の人付き合いのコントロール、例えば予定に遅れそうで走って現場に向かってイライラしてるようではダメ。余裕は自分で作り出すもの。)
兎に角色々あるが、「接点マシマシ」と「報連相」に比べれば蛇足に過ぎない。個別の技術は接点マシマシと報連相を意識していれば、自然と身についてくる。相手と話そうと思えば、その他のスキルが一定水準に達していないと相手にされづらいからである。
他のスキルはすぐ身につかずとも、「接点マシマシ」と「報連相」はビジョンと志から生まれてくるパワー(根性)があれば、幾らでも実行できるだろう。最初は失敗したり、うまくいかないのは当たり前だが、繰り返すほど、更に言えば、色々な人と接点を持つほどにそれらのスキルは磨かれてくる。
起業や新規事業は、これらの能力の集大成ともいえる。誰にとっても、そういった経験をするときというのは人生の決戦の時、ともいえるので、その時に直ぐに諦めてしまわぬよう、技を磨いておくべきであると思う次第である。
以上
大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」
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