2月15日(木) ブラックマンデー戦記
2018年2月15日(木)
8時、Yahooファイナンスから毎日のレポートが届く。CPIは2.1%と予想の1.8%を上回ったものの、好調な経済を好感したことや、大幅に下落してきた分の株価を取り戻すかのように、NYダウは300ドル程度続伸した。
一方、円ドルレートは急激な円高が進んでおり一時106円まで上昇していた。利益を米国で稼ぐ企業にとっては大きな打撃となる事が予想され、本日の株価に暗雲が立ち込めつつあった。
そして何より、一本足打法で資金投入したクリヤマホールディングスは税後利益ベースで7割を米国で稼いでいる為、円高による株価下落が心配だった。同社の株価は前日ズルズルと下がっており2,400円程度で引けていたが、前日15時に増収増益増配の決算を発表したので、ある程度頑張ってくれるのではと想定していた。
しかし、円ドルレートは午前0時の107.2円からひたすら円高に向かい、前場がスタートする時点で106.8円迄進んでいた。
9時、気配値にストップ安の文字が表示された。そして数分後、2,400円の株価がナイアガラの滝のごとく暴落を開始した。株価ボードを更新するたびに、保有資産が急激な勢いでマイナスになっていく。
9時30分、2,122円迄下落し、もはや唖然として見守るしかなかった。もう手の打ちようもなく、これほどに大きく読み違えたことに無念を感じていた。何かの間違えではと思い、折に触れては株価を見ていたが、ズルズルと下がっていった。
15時、株価は前場から下げ続けて2,049円迄下落。含み損はわずか2日間で370万円に達した。この時点で為替レートは106.4円位迄円高が進んでいた。そして、夜になっても為替レートは戻らず、106.4円程度に張り付いていた。
顔面蒼白、震える手で保有株一覧を更新しては目を閉じるしかない。
数日前に現金100万円の現物を手にする機会があったが、その重さを感じて、金の重みを感じていたところだった。それだけに、370万円という損失のインパクトが強烈で、もう言葉も出なかった。
あまりの事に、ブログを更新する力もなかったが、自らの思考の過程、感じた事の整理を通じて、失敗を繰り返さない事は、投資家人生において何よりも重要であろうと改めて思い、1日たってようやく書くこととした。
株価が下がりつつある間、幾度、証券会社のアプリなどをすべて消去して、視界から消し去ろうと思ったかわからない。気づけば喉がカラカラで、空腹も覚えない程に緊張する一日だった。
何もやる気が起きないし、もう退場したいという気持ちがよぎったりもするが、それでも明日はやってくる。株として持っているので、明日下げれば資産は目減りする。
NYダウは切り返しつつあるものの、為替チャートが垂直に落ちる程に強烈な円高が進んでいる。2日でマイナス20%を超えた株価を取り戻すのは尋常ならざる時間を要する可能性がある。むしろ戻らず、一層損を増す可能性もある。
暗澹たる思いを抱えながら、床に就いた。
以上

大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」
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