2月5日(月)ブラックマンデー戦記

2018年2月5日資産運用

2018年2月2日(金)、NYダウが666ドル値下がりした。リーマンショック以来9年ぶりの下げ幅と大々的に報道され、週明けは株価が世界全体で暴落しかねない、という悲観論が交わされる中、土曜、日曜が過ぎていった。

NYダウの急落を受けて、日経平均先物は300円以上下落した。

月曜の日本市場は急落確実と見込まれる状況になった。

この一週間は相当激しい戦いが続くことが予想されるため、毎日の戦いの様子を克明に、記憶が新鮮なうちに、一瞬一瞬の感情の動きも含めて記録していきたいと思う。その成功、若しくは失敗の結果を踏まえ、個人投資家の皆様が資産を大いに育てられんことを願うばかりである。

2018年2月5日(月)

午前8時、Yahooファイナンスよりいつも通り、本日の株価見通しが発表された。リスク回避ムードが強まるか、などとのんきなことを書いているが、先物が300円も下がっている中でリスク回避ムードなんてレベルの下げではなく、ブラックマンデーと呼べる暴落が待ち構えている事は疑う余地もなく、ひたすら掲示板に張り付いていた。

午前8時30分、気配値の表示が開始されるや否や、マザーズ関係の株価が5-10%安に張り付いているのを確認。大きく張っている廣済堂が500円から480円に下がって張り付いているのを見て、瞬きするのも忘れる程に板の数字を眺めていた。

午前9時、前場スタートと同時に、携帯の画面が株価アラートで埋め尽くされた。いずれも3%超の下落を示していた。先週金曜に上方修正、増配、自社株買い(償却前提)、を発表していた三井物産も2%超の下落を見せており極めて厳しいスタートとなった。

9時32分、シェールガス採掘会社向けにゴムホースなどを販売しているクリヤマホールディングスが4.7%下落しているのを確認。一般サラリーマンの年収の半分が吹き飛ぶ事態に気持ちの焦りはぬぐい切れず、恐怖が身を包み口の中もカラカラだった。

本日は一層株価が沈むことも予想されたが、買い向かう事を決断。2750円で500株買いを入れる。

更に三井物産が下がっているのは買いの好機ととらえ、100株分のロームを損切した原資を使って、9時35分に三井物産株600株約定(@2000円)。続いて廣済堂の一階部分を剥離で売却し、二階建て部分の15000株を損切して処分。

こうして前場終了。気づけばオーガニックな下落だけでも300万円のインパクトにグッタリとした気持ちになり、全く腹が減らなかったが、とりあえず餃子とチャーハンをかきこんで、気持ちをきりかえた。

飯を食いながら、前場の締めでクリヤマホールディングスが7%迄下落している事を確認。いっきに200万程度が吹き飛んでいた。冷静さを取り戻すべく、水を一杯飲んで、後場の対応を考えた。同社は2月14日に本決算を控えており、明らかに好決算が予想される中で、この下落はNYダウの暴落に引っ張られた下落であって、個社の業績に関係ない投げ売りと判断。

本日の日本市場閉場後、他国の株式市場が暴落をつづけた場合、明日以降の日本市場が引続き暴落する可能性がある。しかし、世界的な好景気局面にあって、長期金利の上昇と債券価格の下落が、リーマンショックのように継続的かつ急速に株価を下落させるとは考えづらい。

確かな成長が足元にあるならば、短期の下落は買いであろう。そう判断し、下落アラートが鳴り響き、携帯に絶え間なくポップアップが表示される恐怖の中、Charging Bullの精神を発揮して全力で買い向かうことを決定。
(当サイトの資産運用のページのテーマキャラクターは、NYのWall Streetに設置されている「Charging Bull」。1987年の株式大暴落いわゆるブラックマンデーを受けてアメリカのパワーの象徴を意味して作られたものである)。

12時30分、クリヤマホールディングス株は前場からの切り返しはなく、7%超下落のまま2640円あたりから静かに沈みつつある様子を確認。何度も呼吸を止めながら画面を見つめていた。

12時42分、二階建ての成行買い開始。2650円から2690円位のレンジで、5000株を取得。その辺の大企業社員の年収を超える金額どころか、一階部分も合わせれば役員を超える金額だが、渾身の買い集めを図った。

買い上げると、戻ってくる感覚は、球を真上に投げているかのような、重力に逆らっているかのような感覚。押し戻される恐怖が身を包むが、自らの判断を信じて買い進めた。12時50分ごろに全ての玉を買い集め、手持ちが尽きた。

13時から14時30分にかけて、慣性によって上向きに放たれた株がゆっくりと上昇していった。そして、14時30分から後場の終わりにかけて、上向きの慣性を失い、ゆっくりと沈んでいった。この時点で数十万の利益が発生しており、売却を明日に持ち越すのはリスクではないかと悩みに悩んだ。

14時45分、じりじり下がる株価に指が震えるが、今日の急落は明日の上昇につながる可能性も否めず、1分、また1分と悩んだ。そして、後場が閉まる2分前、自分の不安をぬぐいさるうかのように、現物を100株ほど買い足して終了。

株価は前日比▲4.7%で引けた。

同社の本日の終値2,729円。

その他の株価も全面下げの様相で、1日で130万円程のロスが発生。初日から非常に厳しい戦いとなったが、まだポジションを持っていても、戦える状況、つまり短期的な世界市場の調整であると判断し、明日の戦いに臨む。

以上

2月6日(火)ブラックマンデー戦記


この記事を書いた人
りーぶら
りーぶら30代、都内在住、男性。

大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」

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