③今の日本経済ってバブルなの?

2018年1月20日資産運用

何度も話がそれたが、話を本筋に戻そう。

日本経済はバブルかというと、実体経済が伴いつつも、それに上乗せが加わり細マッチョにお肉がついている状態である。

政府としてのベストシナリオはデフレを完全に脱却したと言える、消費者物価指数2%アップに持ち込んだところで、金利をプラスに戻し段階的に切り上げつつ、貨幣の増刷をやめ、株式買い増しを止めることだろう。

先述の通り、日銀によるマイナス金利の導入は銀行収益を圧迫している状況である。かといって金利を急にあげると経済は一気に冷え込むだろう。

一方で経済の根幹たる銀行の収益低下を放置すれば、一般企業が徐々に割りを食らう形となる為、舵取りが極めて難しい状況にある。

おそらく銀行はリストラだけでなく、貸出先や預金者に痛みの伴う手を打たざるを得なくなるだろう。また、合従連衡による規模の拡大と効率化の推進に動かざるを得なくなるはずだ。

(よって、個人投資家としては再編期待がかかる地方銀行に買いを入れておくのが正解だろう。)

さて、日本経済は上述の通り、微妙な舵取りを迫られている。永遠にマイナス金利には出来ず、紙幣発行や株の買い増しはできない。出口が必ず必要だが、タイミングを見誤ると経済がクラッシュする。

実際、1980年代後半から90年初頭のバブルの際、まさに金利の上げ下げで経済が崩壊した。

バブル発生前夜、1985年のプラザ合意で各国は協調してドル安への誘導を決定した。これにより、米国の輸出が活発化し、米国経済にカンフル剤が打たれた一方、日本は急激な円高となり輸出減速や海外からの配当収入減少によって不況に陥った。

この状況に対応すべく、急激に金利を下げまくったところ、お金が急速に循環し、お金をじゃんじゃん借りた人達が投機に走った。特に土地神話が根付いていた中で、お金が市場にぶち込まれた為、土地の価格が暴騰。

暴騰した土地を転売して巨万の富を得た人達は絵画などあらゆるものを買いあさった。

この時代、東京都の土地だけでアメリカ全土が買えると言われたほどで、ニューヨークにあり米国人の魂とも言えるロックフェラーセンターも日本人によって買われた。

そして、加熱している経済に焦った大蔵省が1991年に利上げしたところ、あっさりバブルが崩壊し、20年にわたり日本経済は代償を払うこととなった。

また話が長くなった・・・日本、世界経済の展望については、いよいよ次回最終編とする


この記事を書いた人
りーぶら
りーぶら30代、都内在住、男性。

大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」

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