2月6日(火) ブラックマンデー戦記

2018年2月6日資産運用

2018年2月6日(火)
6時32分、胸騒ぎがして目覚める。前日、NYダウは666ドル安を記録していた。今日、更に下落するようであれば、日本市場も一層の下げを記録すること間違いなく、手持ちのポジションの命運を左右する為、ダウが気になってしょうがなかった。

携帯を開き、飛び込んできた「NYダウ1000ドル超の下げ」の記事にくぎ付けになる。一発で目が覚めて飛び起きた。前日、不安を紛らわすかのように酒をあおって寝ていたので、まだ酒が抜けていない感覚すらあったが、もはやそんな事を感じたり、考える余裕はなかった。

すぐさま現在のポジションを確認し、今日の寄り付き以降の対策を検討し始めた。

6時40分、テレビをつけてみるが、ほのぼのとしたいつもの朝を告げる番組しかやっていない。世界的に見れば、同時多発テロ、いやそれ以上に急速に、世界の人々の生活にインパクトを及ぼし得る話だが、まともに報道している局は皆無だった。

6時45分、とりあえず気を静める為に熱い湯を浴びて精神統一。15分くらい浴び続けていたと思う。

7時、再度ニューヨーク市場の動向、為替の動き、原油等コモデティの動きをチェックしていく。

7時30分、どのような損失が出ようとも、寄り付きですべての株を売却せざるを得ないと判断。まだ上がるかも、これは一過性・・・などと言った言葉が頭をかすめていったが、そのような思い込みに何の意味もない。

投資本尊である元本を守り切ってこそ、投資家であって、元手迄減らせば元も子もない。ここで損切っておけば、元本は全額回収可能である。仮に明日上がったとしても、また後日勝てばいい話で、とりあえず全部売ろうと決めた。

8時、Yahooファイナンスから、厳しい一日が始まる旨の定期メールが入る。戦いに向けて血がたぎる、かと思いきや、凄絶な撤退作戦になる事が確定している為、むしろ血の気が引いており、自分の手が冷たい。ヒーターの前にいても、手が冷たくなる、それ位血の気が引いていた。

8時30分、気配値が表示され始めると、前日まで現物だけで300万円をこえる含み益だったのが、マイナス100万円と表示されていた。目の前に突き付けられたマイナスの文字に再び恐怖が襲ってくる。今日売却すれば、その時点でマイナスが確定してしまう・・・そんな心の声をぬぐって全株「成行」で売却指示を出していった。

8時45分、マイナス幅が200万円に拡大。
8時50分、マイナス幅が220万円に拡大。
8時55分、マイナス幅が250万円に拡大。

9時、証券会社のサイトを更新すると、現物保有益が300万円に戻った。3―5分程続いただろうか、発注した株のすべてが成約しておらず、ボードには昨日終値が表示されていた。ジェットコースターで一瞬無重力を体験しているような感覚だった。当然ながら、全ての銘柄がストップ安で買い手がついておらず、約定していないので、昨晩終値ベースで損益が表示されているだけだった。

9時7分、株価増減が3%を超えると表示される株価アラートが画面を埋め尽くす。そして、発注していた株が続々と約定していく。昨晩大量に仕込んだクリヤマホールディングスはストップ安に張り付いたまま。

9時30分ごろまでに7割近くを売り切った。場が開く前の成り行き売りオーダーに任せて、実損を確定させているだけなので、何もする必要はなかった。という訳で昼間で放置して売りっぱなしにした。そして、クリヤマホールディングスはもはや売れないようなので、一旦オーダーをリリースした。

12時、クリヤマホールディングスの信用取引分のみ売却完了していたが、トータルの実損330万円に達した。

一日で実質約650万円がふきとぶ凄絶な一日。喉が渇いてヒリヒリしていた。目を閉じて少し休まないと、あまりの事を受け止めきれなかった。

14時40分、クリヤマホールディングスの残存株が1000万円分ほどあったが、どうしても売れない。これほど業績のいい株を売るのは狂気。

そう、そしてその狂気が私を動かした。ほぼ底に張り付き、昨日比マイナス15%となっていたところで、500株、また500株、更に500株と成行買いを入れた。スカスカの売り板は1500株だけで3%も上昇。

と、ここで指が止まった。さすがにやめておこう。買うなら別に明日買えばいい。今リスクを膨らます必要はどこにもない。むしろ明日以降にナンピンする余力を残さないと大変なことになりかねない。

そう思って買いの手を止めた。無理やり上に投げた球は重量に従って自然と落ちてくる。そして、前日比マイナス14%で泊まった。

15時。後場終了。

歴史上最大の下げを記録した一日に身を置き、莫大な損失を出した。2017年に稼いできた利益の7割を喪失したが、本尊である元本はどうにか守った。

リスク資産1300万円を明日に持ち越しているが、1本に絞ると相当戦いやすくなる。底でナンピンを繰り返す戦い方も有効かもしれない。

本日のNY及びロンドン市場の結果次第で、日本市場は再び激しく動くことは間違いない。その動きを見極めて、買い向かうか、売り切るかを決定する。

SBI証券のアナリストは「本日が底値」と素敵な名言を吐いていたが、そんな言葉に全てをかけるだけの確信はない。ただ、日本企業の業績が好調であることに間違いはなく、一定期間の調整に終わる事は確実だろう。また、期間が長引けば、トランプ政権にとって大きな痛手となる為、利上げ見送りの発表などの手を間違いなく打ってくる。すると、株価は一気に沸騰するだろう。

問題は、その調整がいつまで続くかという点であり、日本市場がいつ戻るかというところにある。クリヤマホールディングス一本なので、超ボラティリティは高い。タイミングを外すと更に300万円級の損失が発生し得る。株価の行く末を敏感にとらえながら、本決算発表の2月14日に向けて動いていきたい。

以上

2月7日(水)ブラックマンデー戦記


この記事を書いた人
りーぶら
りーぶら30代、都内在住、男性。

大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」

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