不動産事業家としての務めとは~入居者の夢と希望を支え抜くこと~

最近、不動産のオーナーとして賃貸付けをしていると、賃借り人の個人情報に触れる事が少なくない。当然、賃借り人本人だけでなく、保証人の親の個人情報も見る事になる。それらの情報を見るにつけ、家族の絆、希望に満ちて上京する子供の想いなど、色々なことを感じさせられるので、感じたことをここに認めたい。

上京してくる子供とその親

よくあるのが、田舎から上京してきた子供が大学や専門学校に通う為に都内にある私の物件を借りるケース。親の属性は色々あるが、300~400万円の年収の親が保証人になって、6-8万円の家賃の部屋を借りるといったケースが少なくない。

敷金礼金、仲介手数料、初期家賃を払えば合計4か月分で30万円を優に超える。更に入学金や上京、引っ越しの費用を考えると恐らく100万円位はかかるだろう。

きっと、年収300万円の親にとっては非常に重たい支出である。

また、家賃も年間100万円近いので、ランニングコスト的にも非常に重い。

そんな支出を選択してでも子供を東京に送り出す。しかも、都心の築浅物件に済ませる。

子供は、田舎から出て、東京での新生活に胸を弾ませている事だろう。
その新生活が、都心で利便性が高い、シティライフを満喫できる場所だとすれば、尚の事心が躍る事だろう。

親は、子供がそんな生活を送る姿を想像しながら、幸せな人生を送って欲しいと心から願っている事だろう。年収が300万円だと、100万円貯めるのも相当大変だと思う。切り詰めて、切り詰めて生活して、そしてそれを子供の幸せな生活の為に惜しみなく使っているのである。

私も同じく、田舎から上京してきた人間なので、子供が希望と不安で胸いっぱいになっている姿がよくわかる。そして、物件のオーナーであり、親だからこそ、親御さんの気持ちが痛いほどにわかる。

子が生意気を言おうとも、わがまましようとも、苦労せず、幸せに生活して欲しいと心から願う故に、自分の持てるものを全て使って、快適で安全な環境を整えてやりたいと思うものである。

不動産事業家としての務めとは

そんな思いが交錯する中で、不動産事業家としての務めとは何だろうか。単に投資対象として物件を高利回りで回していく、というのは投資としてはそうかもしれないが、事業家の姿勢ではない。

入居者は色々な思いを抱いて入居してくる。その人たちの思いに、思いを馳せて、夢や希望を実現していけるような、快適な環境を整える事、それが事業家にできる事ではないだろうか。

スルガ問題などで、土地と建物を転がしてみたり、複数法人スキームで大量の物件を買って消費者還付したり、それはそれで良いのかもしれないが、そういった投資をしている人達は本質的に存在する価値があるのだろうか?

銀行、仲介業者、賃貸付け業者、インターネット業者、管理会社・・・など色々な関係者がいる中で、不動産事業家はそれらを纏められる立場にいる。その立場の人間が、単に自分が稼ぎたいが為に銀行から金を引っ張って投資するだけで良いのだろうか。

別にどんな投資をしようが誰も規制はしないだろうが、お金や資産を持っていたり、人脈があったり、色々な意味で恵まれている人間には、社会に対して一定果たすべき役割があるだろう。

入居申込書をみたとき、田舎から上京して専門学校に入る娘、そして親が保証人になっているケースがあった。その親は片親で母親の手一つで子を育ててきたようだった。年収はわずか250万円。年齢も50歳でこれからのことを考えると、ムダに使えるお金は一円だってないだろう。

にもかかわらず、安くない私の物件に申込を入れてきた。子を想う親の切ない気持ち、不安と希望で胸いっぱいになっている子の気持ち。いずれを想っても、不動産事業家はその思いにこたえて、快適な生活環境の整備を通じて、その思いを支え抜くべき、そう思う次第である。


この記事を書いた人
りーぶら
りーぶら30代、都内在住、男性。

大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」

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