2月7日(水) ブラックマンデー戦記
2018年2月7日(水)
前日、後場引け直前にクリヤマホールディングスの株を1,500株買い増しし、一本足打法でリスク資産は1,300万円。本日も続落した場合、200万円クラスの損失が発生し得る為、不安な気持ちで目覚めた。
7時30分、NYダウの株価をチェックしてみたところ、567ドル上昇していた為、日経平均の上昇は間違いない事を確信し、とりあえず余裕をかましながら日経新聞に目を通す。また、ツイッターでフォローしている株長者たちのツイートをチェックしたところ、皆一様に昨晩の地獄で巨額の損失を出した模様だが、皆一様に市場の先行きに楽観的な様子であることが確認できた。
8時、Yahooニュースが「今日はNYダウが上がったので、上がるよ」と言っていたので、改めて一安心。
8時30分、昨晩マイナス10万円と表示されていた損益が一気に+220万円に吹き上がっていた。板が点滅しながら上値を追っていき、益が脈打つように膨らんでいく様子は、あたかも心臓の鼓動のように感じる。その鼓動が前場のスタートに向けて興奮を高めていく。
9時、寄り付きは80万円前後に落ち着く。とりあえず旭有機材と三井物産に打診買いかねて寄り付き成り行きで500株ずつ購入。
この時点で、日本市場は一旦安心しているムードが広がっている事が確認できた。そして、土日からずっと考え続けていた下落局面の対策につき、改めて考えを巡らせた。
特に、本日の終わりと明日以降の値動きを的確にとらえて動く必要があるので、目先の値動きに惑わされない対応とは何かを考えた。
過去の暴落相場における動きを分析すると、いずれも下落、暴落、振り戻し、更に下落、ちょっと戻し、暴落、続落・・・という流れをたどっている。つまり、トレンドが転換したら潔く上値追いを諦めねばならない。
ポイントは今回の暴落がトレンド転換かどうか、という点だが、アメリカではトランプ政権の減税法案、低金利、世界的量的緩和等を受けて急激に株価が上昇していた、という事実を見れば、調整が入ったとみて問題ないだろう。
そして、世界的にもアメリカの影響や各国の景気刺激策を受けて、株価が概ね上昇局面にあったので、一旦折り返ししても全くおかしくない状況にあるだろう。
つまり、今回の暴落はトレンド転換の明確なサインと取れる。
過去、トレンド転換した際に何が起こったかを研究してみたが、すべからく強気の相場が暴落して一気に戻すので、「やっぱり大丈夫、今回の下落は短期間、実体経済は堅調」などという声が飛び交って、総楽観ムードが広がっている。そして、信用含めて全力で買い向かった人間達が樹海行きになるのが毎度のパターンである。
それらの歴史を鑑みると、今回の下落、暴落、振り戻し、からすると、ここからが本当の下げの始まり、とみて間違いない。そして、午前中強気だったけど、今日のところは明日のNYダウが恐いので、とりあえず様子見しよう、という心理が働く事間違いないので、後場に向けて下げると確信した。
この確信のもと、12時に全株売却指示を出した。
12時30分、若干成行気味に売ったので、利益は60万円程度になったが、全て売り切る事が出来た。
12時45分、上述の分析を基に、明日以降からがNYダウ、およびその影響を受けた日本市場の本格的な下げと予想。改めて自分の考えを信じられるか、幾度も間違えてきた自分を信じていいのか、自問自答した上で、やはり下げるだろうとの結論に至る。
12時55分、双日、丸紅、ティーガイア、コネクシオの株の空売り注文を入れた。
上述の4社を選定した理由は、流動性が高く、間違えたと思った場合に少ないダメージで売り抜けられると思った為である。そして、商社二社を選定した理由は、大手商社の中でも企業規模や信用度が低く、株価が下振れしやすい傾向にあると見た為である。また、ティーガイア、コネクシオについては、携帯電話の販売事業(小売り)という成長性が限定的な業界にも関わらず、統合期待などから、収益性に比べて、株価が異常なほどに高値に吊り上がっていると感じた為、売りと判断したものである。
13時、いずれも成行気味にオーダーしたため、全て約定。リスク資産(空売り資産)は総額で1000万円となった。
「買いは家まで、売りは命まで」と言われるほどに空売りは危険であり、めったに手を出さないが、今回は戦うべき時であると判断した。リスクが青天井と言っても、膨大な損失が出れば、それを損切ればいいだけの話で、死にはしない。崖を飛び越える覚悟で発注した。
15時、やはり読み通り、午後からリスク回避の為、日経平均は徐々に下がり始め4社の株価は軒並み下落。Close時点で10万円のプラスでひけた。
はっきり言って、10万円というのはもはや誤差の範囲であり、明日のNYダウ次第で再び大きく株価が動くことになる。
オンラインのメディアの報道を見ていると、ダウが一気に戻したので、世界株安は防げた、一時的な調整だった、という論調が大半を占めているように見える。そういった記事を読むごとに、自分の考えが誤っていたのかもしれない、という恐怖で喉がカラカラになる。
だが、自分を信じられないものは株をやるべきではない。誰が何を言おうと、自分の出した答えを信じて、得しようと、損しようと、全ては自分の責任として受ける。そして、言い訳をせずに次の戦場に赴く。これこそが株投資家だろう。
明日NYダウが吹き上がったら、朝起きた瞬間に死亡確定となるが、とりあえず今日は不安をこらえて眠りにつきたい。
以上
大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」
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