ビットコインとモナコイン 〜祭りのあとの世界〜
仮想通貨に投資しました!
といったコメントを取り上げた記事などが散見されるようになったが、私はこれに強い違和感を覚える。
投資、とは自らが保有している資本を再投下して資本を増やそうとする行為である。資本を中長期的に増やすには、複利の力なくしては大きく増えることはない。
複利の力を得るには、絶対に損をしないことが重要である。よって、株、不動産、債権など、どのような資産にせよ、自分が損をしないだけの情報を持ち、それを元に資本を投下する、これこそが投資である。
だが、今の仮想通貨には損をしない為の仕組みが存在しない。
仮想通貨そのものの価値を定める尺度もない。
そこにあるのは、もっと上がるかも、という市場参入した人々の期待感だけであり、期待が薄れた瞬間に一瞬で投下した資金を失うリスクを孕んでいる。
更に悪いことに、仮想通貨は寡占化された市場であり、1000名程度いると言われる超ビッグホルダー、いわゆるクジラが売り時を待っている状況である。
仮想通貨の価格を定める根拠がない上、市場が一部の人間の判断次第で動くとなれば、個人投資家にとってこんな不利な投資はないだろう。
このような市場は程なくして大暴落して終わる。そして、死屍累々な市場でルール整備がなされていくだろう。
だいたい、仮想通貨の価値を公正に評価する手段がないにもかかわらず、先物市場が出来るなど、滑稽な話だと思う。意味不明である。売りが売りを呼び、大暴落する装置を作ったとしか思えない。しかも、サーキットブレーカーなどの装置すらないのに。
タイトルにアルトコインの一種であるモナコインを書いたが、これには理由がある。
モナコインは日本で生まれた仮想通貨であり、ツイッターでの投げ銭など独自のコミュニティーを形成している。私はこういったコミュニティーにおいて愛され、独自発展する通貨こそ育って欲しいと思う。
単なる投機の対象ではなく、文化を育てる為のツールとなれば、仮想通貨がこの世に生み出された意義は大きいと思う。
私は、仮想通貨が大暴落した後、投資家保護が進むとともに、仮想通貨をより健全かつ実態のある形で使うという動きが進むと思う。その時、モナコインのように一定のコミュニティから愛されるような通貨となり、世界の豊かさに貢献するようになれば、本当にいいと思っているのである。
以上
大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」
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