パワハラを生き延びた経験 〜昔話から経済的自由への決意新たに〜

2018年1月20日処世術

思えば私も数多くのパワハラ地獄を生き延びてきた。

電通のまつりさんが自殺した、というニュースが日本中を駆け巡り、労働環境が改善されてきていることは、本当に素晴らしいことだと思う。

自分が体験してきた地獄は、誰にも味わって欲しくないと思う。

ここに当時の経験を書き記したいと思う。

当時、私は入社して間もない頃だった。

私を指導する係の社員は、無限に働くタイプの人で、朝は6時〜夜は12時近くまで働いていた。

そんな人に指導されていた故に、私も自然と超残業体質になっていった。

毎朝6時、7時に出社するなんて、ざらにあったし、残業して、残業飯を外に食べにいくのも当たり前だった。

そして、今では絶対にやらないが、当時は周囲のおじさんが残業していると飲みに誘ってきてたので、誘われたら断らずに行っていた。

自分の土日も捧げて、平日は無限に残業して、働き続けていた。

入社した頃、どうすれば自分が豊かになれるのか、仕事ができる人間になるのか、とにかく先輩から学ぶしかない、という思いでひたすら残業していた。

今から振り返れば、まったくもって非効率な時間を過ごしていたと思う。残業しても、企業は残業代を出すだけで、自分の人生の面倒を見てくれるわけではない。

貴重な20代という時間を、エクセルに向き合ったことに対する対価を払ってくれるわけでもない。

そして、飲みに誘うおじさんに応え、先輩からのめちゃくちゃ期日の身近いタスクに一生懸命応えた結果、得たものは残業代とちょっとのスキルと、業務経験だけだった。

はっきり行って、豊かになりたいのであれば、こんな経験を重ねる必要はない。

私はいつしか自分に無理をさせすぎていた。

ある日、会社の寮から出社しようとした時、足が痺れて起きることができなかった。

自分にそんなことが起こるなんて思っても見なかったが、本当に足が痺れて起きれなかった。

今思えば精神的な苦痛から来ていたものだと思う。

その先輩からは、例えば、ゴルフの幹事を無理やり押し付けれ、断ると、周囲の先輩たちにコピーを落としながら、依頼したゴルフの幹事をやらないのですか?

などと行ったメールを打ち込まれた。そして、できないと返答すると、そのメールを色々な上司に転送することで、私の評判を貶めたりした。

また、社内でも色々な悪い評判をたてることに一生懸命な先輩だった。何故ここまで人を貶めるのに一生懸命か、本当に不思議だったが、それがサラリーマンの性なのだろう。

事実、その先輩は父親がサラリーマンで、バリバリのサラリーマン一家に育っていた。

私のようにサラリーマンではない家庭に生まれると、サラリーマンにおける小賢しい出世競争に価値を見出さないのだが、サラリーマンの世界では、そんな瑣末なことが生きていくのに重要だからこそ、人を貶めるのに一生懸命になるのだとよくわかった。

具体的なパワハラの例を挙げよう。

当時、とある商品を海外から輸入しており、先輩と私のダブル担当のような状態だった。

その商品は製造する際に、日本で製造しているパーツを使用していた。

本当に小さな部品だが、その部品がなければ規格書通りに製造できず、代替するパーツも海外に存在しなかった。

そんな時、その先輩は、製造している国に私を出張させて、税関に無申告で、手でパーツを持ち込ませようとしていた。

当時、非常に状況が切迫しており、製造できないと企業のHPに謝罪文出す、新聞に謝罪広告出す、くらいの状況だったので、冷静に考えられる状況ではなかった。

しかも、私も社会人として殆ど知識・経験がなく、とりあえず出張行ってこい、これ持っていけ、という感じだったので、訳もわからず出張の準備をしていた。

結局、訳がわかっていなかった私が、ハンドキャリーする旨をメールで社内外に共有した際、上司がこれに気づいて止めたことで未遂に終わった。

私は訳も分からないまま、随分と怒られ、自分の無知を反省したものだった。

だが、今冷静に考えれば、私の先輩は、違法行為になると認識しながら、ハンドキャリーをアドバイスしていたのだろう。

そして、製造がうまくいけば、自らが問題を解決した、実は後輩がハンドキャリーしちゃった、と喧伝していたことだろう。

また、こんな例もある。

取引先とは契約書に基づいた取引をする、という社内規定があり、それに基づき日々取引していた。

ある日、取引先と契約書はあったものの、取引先が契約書に基づかない発注をしようとしていた。

というのも、取引先が会社に承認もされていない手書きの発注書を、PDFで送りつけてきたのである。

社印も押されておらず、契約にも沿っていない為、トラブルが発生した場合、明らかに問題になる事が見えていた。

その商品が出荷されないと、取引先は多額の損失を被る状況だったらしく、兎に角急いで出荷しろとのことだった。

社内で承認を取り付けられない理由を探っていくと、どうやら損失を発生させた原因は発注書を勝手に発行しようとしている担当者にあるようだった。

詳しい理由は探りきれなかったが、その担当者が何かの取引で発生させたミスを隠蔽する為に、当方の取引を利用しようとしている模様だった。

実際に、この取引が成立すれば、発生したミスが隠蔽できる模様だった。

この取引先は、その当時大口顧客の1社であり、人的関係も深かった。よって、この取引先の担当者は我々にとってみたら神さまのような存在だった。

しかし、私は契約に沿っていない為、受けられない、と取引先に告げたところ、取引先の担当者は先輩に連絡して無理やりでも通せと言ってきた。

そして、その先輩は取引先からの要請を受けた。。。

といっても自分で受けた訳ではなく、その発注を受ける、と取引先に答え、実際の受発注は私に行わせようとしたのである。

通常、受発注のフロー上、内部統制のコントロールもきいている為、社内確認をしたという証跡を残す必要がある。

よって、従来は発注書を上長まで回覧していたが、今回のケースでは私の認印のみで処理するよう指示してきたのである。

社内規定では、発注書の確認者がだれか、明確に定められておらず、内部統制上も社内確認すること、とのみ書いてあり、だれまで確認するかについてはグレーゾーンとなっていた。

これを踏まえて先輩は、私の認印のみで処理させようとした訳だが、後から証跡だけ見ると、あたかも私の一存で、私が一人で規定を勝手に解釈して処理したように見えかねない。

一人で捺印するのは危険だと思い、先輩に捺印を求めたところ、自分は捺印しない、上長まで回覧する必要がないなら、担当1人が捺印すればよく、複数名の捺印は不要、との一点張りだった。

会社の規定ではグレーゾーンだったが、解釈によっては社旗違反になる可能性がある。

私は一人で捺印することを、再度拒否したところ、その先輩は、社規違反になる理由を提示しろ、提示できないなら処理しろ、と迫ってきた。

私はグレーゾーンとしか読み取れない、と伝えたところ、それでは自分一人で処理しろ、との一点張りだった。

そうこうしている間に、どんどん時間的な余裕がなくなった。取引先の担当者は電話口で怒鳴り上げており、直接の担当である私は電話口で謝りつつも受注できないと伝えていた。

最終的に、取引先の担当者は、どうやって説明したのかわからないが、社印を取り付けた発注書を先輩のところに送っていた。

そして、商品は出荷されて無事終わった。

と・・・私は思っていたが、後日上司から呼び出されて突如怒られたのである。

なんと、私が発注書を受領したにも関わらず、怠慢によって受注していなかった、それを先輩が機転を利かせてフォローした、というストーリーが仕立て上げられていた。

これには流石に絶句したが、その当時のやりとりは全て電話でメール等の証跡が残っていなかった。

残っていたのは、社印捺印済みの発注書のみで、ちゃんと発注が来てるじゃないか!と言われると、何も言えなかった。

また、当時社会人になりたてで、訳もわかっていなかった為、うまく上司に説明もできなかったのである。

こうして先輩は、このストーリーを社内外に喧伝する事で、後輩である私の評判を落としながら、自らのポジションを高める、という信じがたい行為を繰り返していたのである。

こんな悲惨な経験をしていたが、もう1つだけパワハラの事例を挙げよう。

とある日、取引先とトラブルがあり、最終的に1000万円近い損失が発生した。

そのクレームの処理をまともにやると、上司が更迭されかねない状況だった。

そこで、普段の請求から1万円程度を値引きして、1000回繰り返すことでクレーム代金を処理することになった。。。

という経緯を知らないまま、私はその取引を担当することとなった。

請求単価から当該クレーム代金が引かれていることなど知らないまま、私は請求書を発行したり、見積もりを提示したりしていた。

クレーム処理を日々の請求の中で行なっているのは、簿外債務に該当する為、社旗違反となる。

しかし、その事実を知らないまま取引を続け、1年たったある日・・・

これでようやくクレームの処理が終わったな、と告げられた。

なんのことか分からないまま、色々と確認していくと、過去のクレーム代金を処理していたという事実がわかってきた。

なんとなく怪しいと思いつつも、あらゆる形のパワハラを受けていた当時、そのような取引の不正を暴いて、周囲にSOSを発信する力は私になかった。

こうして、取引の担当者として、私は1年に渡ってクレーム代金を含んだ請求書を発行し続けていた。

すでに10年以上経った今では時効だろうが、当時は不正(グレーゾーンなこと)に関わってしまったという負の意識に苛まれたものである。

そんな日々だったが、その先輩は会社で評価されていった。

会社というのは腐っている、と思いつつ、腐っていることを不満に思ったところで、誰も助けてはくれない。

会社では周囲からどのように見えるかが全てである。

不正していようと人間性が腐っていようと、実態は関係なく、周囲からどのように見えるかで評価は決まる。

腐った人間性でも、ゴルフをアレンジして、そこで上司などと仲良くやっていれば、普段関わりが少ない上司は、実態の姿などわかりはしない。

ましてや後輩に対して、どんな非道な仕打ちをしようとも、わかりえない。

更に、異動の多い大企業では、取引で実績を挙げずとも、その場で周囲と仲良くする、関係を取り繕う術を身につけていれば、出世してしまう。

これが、企業というものであろう。

そんな企業に期待してはいけない。間違っても人生を捧げたり、自分の一生をケアしてくれると思ってはならない。

会社に依存せずとも、独りで生きていく力を身につける事、何より経済的な自由を手に入れる事、これが大切である。

さもなくば、斯様なパワハラが一度起こった場合、逃げることもできず、心を病んだりしてしまう。

資本主義の社会において、サラリーマンは食い物にされる対象である。

例え、今そうでなくとも、いつ何時、パワハラにあうかわからない。人との巡り合わせ次第であり、その巡り合わせは自分でコントロールできない。

ちょっとした昔話を認めながら、いち早く経済的自由を獲得する事が不可欠である、との思いを新たにする今日この頃である。

以上


この記事を書いた人
りーぶら
りーぶら30代、都内在住、男性。

大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」

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