サラリーマンが富裕層に、絶対に、なれない理由

2018年1月20日資産運用

サラリーマンとは実に物悲しい人種である。会社という組織の中で、歯車として日々自らの時間を投入し、決められた対価を得る。

その対価は会社によって違うものの、はっきり言って自営業や開業医、開業弁護士などと比べると話にならないほど少ない。

以下が年収ベースのイメージである。ざっくり35歳くらいでまとめてみた。

ニート・デイトレ 0〜
パート 〜103万円
居酒屋アルバイト 100〜350万円
非上場飲食系 400〜600万円
非上場メーカー他 400〜700万円
警察官・消防士 750万円〜
国家公務員1種 800万円〜
一部上場メーカー 800万円〜
総合商社 1000万円〜
テレビキー局社員 1500万円〜
パイロット 1700万円〜
開業弁護士・医者 2000万円〜
戦略系コンサル 3500万円〜
ゴールドマン(Front)4000万円〜
僧侶(檀家多数) 5000万円〜
上場企業オーナー 1億円〜

上述はあくまで年収ベースであり手取りではない。1000万円超えたあたりから30ー45%の税金がかかるため、1000万円で700万、2000万円で1200万円となる。

1000万円は多いと言われたりするが、手取りはわずか700万円である一方、年収800万円の人の手取りは620万円くらいなので、実は対して変わらないのである。

それでは、一体どこからがリッチな人達、いわゆる富裕層なのだろうか。

一般的には富裕層は現預金や株など、金融資産を1億円以上保有している家庭を指し、超富裕層は5億円以上を指すと言われている。

1億円を貯金で貯める場合、毎年500万円貯めたとしても20年かかる。大卒だとすれば、45歳手前で到達するイメージである。

それでは、500万円を無理なく純粋に貯金で貯められる年収は幾らだろうか。

いわゆる富裕層の家庭より話を聴くとだいたい以下のような支出イメージになる。

子供2人いたとして、二人とも私立かつお稽古や塾に通わせた場合、月10ー15万円はかかる。これに家賃や水道光熱費25万円、生活費15万円とすれば月の支出は50万円。

月々50万円×12ヶ月+200万円(交際費)くらいの支出をベースとすると、800+500=1300万円の手取りが必要である。

税金を40%と考えた場合、手取り1300万円に達するには、年収2200万円は必要である。

ここで先程の表をもう一度見て欲しい。

ニート・デイトレ 0〜
パート 〜103万円
居酒屋アルバイト 100〜350万円
非上場飲食系 400〜600万円
非上場メーカー他 400〜700万円
警察官・消防士 750万円〜
国家公務員1種 800万円〜
一部上場メーカー 800万円〜
総合商社 1000万円〜
テレビキー局社員 1500万円〜
パイロット 1700万円〜
開業弁護士・医者 2000万円〜
戦略系コンサル 3500万円〜
ゴールドマン(Front)4000万円〜
僧侶(檀家多数) 5000万円〜
上場企業オーナー 1億円〜

2200万円のバーを超えるサラリーマンの職業は戦略系コンサルしかない。

もしくは一部上場企業の執行役員・取締役クラス、テレビキー局の部長クラス(すなわちおじさん)でないと到達出来ない。

・大卒から20年以内に、
・豊かな生活をしながら、
・富裕層の基準である1億円貯める、

という前提をクリアしようと思うと、サラリーマンという職種ではほぼ不可能ということがお分かり頂けただろう。

(上の表は35歳の年収イメージなので、単純に年数をかけるのはおかしいと思われるかもしれないが、大卒〜45歳までのアベレージを取ると大体35歳くらいに落ち着く)。

さらに、年収800万円以上は増税されようとしているので、サラリーマンはますます苦しくなっていく。

よって、サラリーマンで生きていく、という選択をした瞬間、富裕層になれないことは確定したも同然である。

いやいや、別に富裕層になる必要ないし、という反論は必ずあるだろう。

ただ、1億円以上の金融資産というのは、例えば株などで3%で運用した場合、300万円のキャッシュを産む。まったく売買しない前提でも、このくらいの運用益はあがるだろう。

つまり、富裕層は、居酒屋のアルバイトが1年間一生懸命働くくらいのお金を、何もせずとも手に入れることになる。しかも自分の稼ぎとは別に手に入れる。

そして、翌年は1億300万円+500万円に3%、その翌年は1億800万円+500万円+24万円の3%、と雪だるま式に資産が増えていく。

この事実からも分かるが、資本主義というのは、資本が蓄積するほど、稼ぎが大きくなる。

富裕層にならなくてもいい、と言っている人は、富裕層、つまり資本を蓄積して複利の効果を得る人達、から永遠に搾取される対象で居続けます、と言っているに等しい。

サラリーマンというのは、控えめに言っても、複利の効果を放棄し、搾取される側に回ることを選択した人達と言える。

何故なら、先の年収表の通り、ある程度職種によって年収が決まっており、コンサルにでもならねば収入アップは見込めない。

さらに、自営業者と異なり、累進課税をきっちり適用されて手取りが上がらないため、転職しようと昇級しようと、富裕層にたどり着く為の資本蓄積がしづらい。

この搾取のループから抜け出すにはどうすれば良いのだろうか。

いつか給料が増えるから良いや、という発想は搾取される時間を長くし、複利の効果を得られなくするので、もっとも危険な考え方である。

重要なことは、とにかく早いうちに原資を作ること、そしてその原資を絶対に減らさないように、育てていくことである。

早いうちに原資を作る、とは大企業の新入社員なら意味のない飲み会は断って無駄金を使わないこと、飲食のアルバイトなら兎に角、根性で長時間労働しながら原資を稼ぐということだ。

無理してでも、年間360万円、すなわち月間30万円をコンスタントに貯めて、3%年間複利で運用すると20年で9200万円になる。ただの貯金だと7200万円だが、複利で2000万円上積み出来る。

仮に30万円が厳しいなら、10万円でも良い。8%年間複利で20年貯めれば4700万円になる。年間15%オーバーで運用できるテクニックがあれば1億になる。

サラリーマンは働く前から搾取される対象になることが確定しているので、年収がちょっと増える、退職金が一杯もらえる、福利厚生が厚いなどの、世迷言に惑わされてはならない。

また、車やマイホーム、などの大型の支出により富裕層になるチャンスを失ってはならない。

高給取りだろうが安サラリーマンだろうが、搾取される対象であることに変わりなく、現代版の奴隷に他ならない。

構造的に永遠に搾取される対象である、という現実を直視し、いち早く搾取される立場を脱出すべきである。

金が金を産む富裕層の仲間入りをすれば、日銭を稼がずとも生きていける。つまり、会社に依存しない経済力を身につけることとなる。

会社への依存心が消えれば、意味のない飲み会、ゴルフ、空疎なミーティングなど、キッパリと断ることもできる。

自分の信念を曲げて頭を下げたり、上司に怯える必要もなくなるだろう。

会社との契約関係の中で、自らのパフォーマンスをベースに対価を受け取る。会社を恐れず、依存せず、独立自尊の心を持って働くサラリーマンこそ、真のビジネスパーソンであると言えよう。

以上

関連リンク:大企業の窓際~Windows 2000~

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この記事を書いた人
りーぶら
りーぶら30代、都内在住、男性。

大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」

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