普通の人たちが知らない、大企業の実年収と老後

2018年1月20日処世術

均年収ランキングをみて、給料が高い会社というのはなんとなくわかる。

実際、給料が高い会社は間違いなく高いし、役員クラスにもなればもっと高くなる。

それでは実際どれくらいもらうイメージなのだろうか?

年収ランキング 企業 年収
1位 m&aキャピタルパートナーズ1741万円
2位 スクエアエニックス(スクエニ)1640万円
3位 フジテレビ1482万円
4位 GCAサヴィアン1465万円
5位 日本テレビ1453万円
6位 TBS1441万円
7位 三井物産1413万円
8位 東京海上1394万円
9位 三菱商事1358万円
10位 テレビ朝日1342万円
11位 住友商事1309万円
12位 毎日放送(MBS)1304万円
13位 ミツウロコ1303万円
14位 朝日新聞社1270万円
15位 テレビ東京 1256万円
16位 日本経済新聞社1247万円
17位 野村證券 1229万円
18位 スカパーjsat1224万円
19位 住友生命 1212万円
20位 福音館書店 1200万円

例えば、GCAサヴィアンは1465万円となっているが、実際の平均年収は2000万円近い。ほぼ全員が中途採用となっており、年収水準が高いことも理由の一つだろう。

実際、役員クラスの年収は余裕で億を超えており、部長クラスでも5000万円オーバーがゴロゴロいる会社である。

なぜ年収が高いのかというと、M&Aを生業にする会社なので、会社が抱えている資産は人がほぼ全てである。

例えば、M&Aで契約からクロージングまでにかかる費用は、ちょっとした契約書チェックなどのアドバイザリー業務でも数千万円する。

実際、私も何件か関わってきたが、ほぼ買収は既定路線で、相手方や周辺の会社が異議を唱えてくるリスクは皆無に近かった。

しかし、契約書等の確認は買収時に欠かせず、ちょっとした不明点を専門家に聞く必要もあり、弁護士を抱えているアドバイザリーを手がけるファームに依頼することとなる。

その依頼一声3000万円、大きな時には200億円程度のMAもあったが、アドバイザリー料金は諸々含めると2-3%で6億円くらいかかった記憶がある。

たしかに、クロスボーダーの大型案件となると、弁護士数名とコンサルタント数名が張り付き、1年以上かかることも少なくない。

例えば、弁護士2人とコンサルタント3人が張り付いた場合、5000万円が2名と3000万円のコンサルタント3名として、年収だけで1億9000万円となる。

更に、企業が人を維持する為のオフィスや諸々の費用が年収の倍とすると約4億円となる。

それに利益を載せれば6億円なんて高くないだろう。

とまあ、MAファームの給料が高いことはこれでわかっただろう。

ただ、彼らは退職金や福利厚生がそこまで充実していない。

それでは日本の大企業のフジテレビはどんな感じだろうか。

年収1482万円とあるがこれは嘘じゃない。というか30歳で到達する水準である。月収100万円、手取りでも60万円オーバーであり、月のベース支出が20万円だとしても余裕のある生活ができる。

テレビ局の年収がなぜ高いかというと、1つ目に少ない人数で高い売り上げを挙げており、社員に多額の還元を出来る、ということである。

といっても、めちゃくちゃ効率的に働いているわけではなく、下請けの制作会社にバンバン降っているので、テレビ番組製作の頂点にいる会社が高収益になる、というからくりである。

そして2つ目に、従業員は不規則な勤務体系を強いられる為、各種手当が高いという点が挙げられる。年末年始や連休などに特番を組むことはよくある話で、急な内容の変更や、タイトなスケジュールでの制作は状態化しているため、勤務が不規則になるのである。

それではメガバンクはどうだろうか?

残業禁止、結構ホワイト企業で、30歳で実は1000万円に到達する。

そして社宅とかも充実しており、意外と良い。

50歳になると1800万円は固くもらえる。

そして、たしかに50歳になると役職定年がきて、給料が激減すると言われるが、実は出向による給料のかさ上げは幾らでもある。

私は沢山の会社と付き合ってきたが、どこの企業にも銀行からのひも付き出向の人たちがいた。

彼らは銀行内では50歳で部長代理くらいのポジションだったりするわけだが、出向すると役員になる。

そして、上場企業への出向であれば2000万円くらいは大体もらっている。

更に、退職するとその会社から退職金が出る。企業によって違うが、3000ー5000万円は堅い。

更に信じられないかもしれないが、日本企業で上場企業に社長として転籍となるケースは給料ベースで5000万円、ストックオプションで更に1000万円上積みからの、株価上昇で更に儲かる、という例もゴロゴロある。

特に、ストックオプションの威力は凄まじい。

インサイダーは法律で禁止されているが、ストックオプションは法律で認められたインサイダーの聖地である。

なぜならば、自分が社長の会社の業績がどうなるかなんて、100%わかるし、株価をあげることも出来る。例えば、MAすれば間違いなく、その場で業績は吹き上がる。

しかも、大企業がバックに付いていれば、資金繰りに困ることもなく、優良なMA案件が目白押しなので、まあ損はしづらい。

となると、こういう会社に出向した人間はぼろ儲けすることになる。

実際、超大企業の生涯年収は5億円とかいうが、あれは会社に居続けた場合のケースであって、はっきりいって実態を表していない。

イメージとしては、わりと出世した超大企業の社員の場合、

20ー40歳:平均1500万円×20年=3億円
40ー50歳:2000万円×10年=2億円
50歳ー60歳:2300万円×10年=2.3億円
60ー65歳:顧問などで1000万円×5年=5000万円
総合累計 7.8億円

もしくは、あまり出世しなかった超大企業の社員の場合、
20ー55歳:1500万円×35年=5.3億円
55ー65歳:500万円×10年=5000万円
総合累計 5.8億円

超出世した超大企業の社員の場合、
20ー40歳:1800万円×20年=3.6億円
40ー55歳:2200万円×10年=3.3億円
55ー60歳:5000万円×5年=2.5億円
60ー65歳:7000万円×5年=3.5億円
65ー70歳:2000万円×5年=1億円
総合累計 13.9億円

となる。これらは私が実際に会って話しした人達の実例なので、嘘偽りない給与である。

まあ、超出世した超大企業社員の生涯年収が14億円だとしても、税金で5割が持っていかれるので、手取りは7億円となる。

7億円を40年で割ると、年間1750万円なので、超富豪とはいかないまでも、豊かな暮らしは送れるだろう。

ちなみに、あまり知られていないが、超大企業は隠れた給与がある。

それは、企業年金と再就職にあたっての給与である。

信じられないかもしれないが、定年退職すると、死ぬまで毎月50万円を出す会社もある。

また、定年になる前に50歳で退職しても、60歳まで毎月40万円を支給し、その間の10年間にどんな仕事をしていても構わないという会社は実は結構ある。

このように、年収ランキングからは見えない実態が、社会にはあり、そういった情報を普通の人達は持ち得ないので、ムカつくことすらもできないのである。

以上

関連リンク:大企業の窓際~Windows 2000~

関連リンク:サラリーマンが富裕層に、絶対に、なれない理由


この記事を書いた人
りーぶら
りーぶら30代、都内在住、男性。

大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」

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