紅白を復活させる方法 〜つまらない番組からの脱脚〜
年々紅白の視聴率が低下している。2018年の視聴率は30%台に突入し、歴代最低レベルまで落ち込んだ。
何故だろうか。
理由は簡単である。つまらないからだ。
いや、単につまらない、というとあたかも紅白の中身が劣化してきているような印象を与えるが、そうではない。
紅白そのものは、10年前などと比べると、色々な趣向を凝らし、出演者もバラエティに富んでいて、楽しくなっているだろう。
だが、つまらない。つまらない、というのは、年末休みの時間を配分するほど、魅力的なものではない、という意味である。
20年前は、紅白以外に見る番組がなく、爺さんがどこかに旅行した、とかそんな番組しかなかったので、人々は仕方なく紅白をつけていた。
しかし、近年ではM1やK1といった裏番組が楽しい。
というか、そもそもボタンが10個くらいしかない中から、見るものを選ばねばならないテレビ、という存在自体がつまらないのだろう。
インターネットを開けば、自分が見たいものを観れる。
しかも、紅白も後で観たければみれる。
更には、見たい歌手のところだけ、YouTubeか何かでピンポイントで見ればいい。
わざわざ、テレビの前に張り付いて紅白を見る、という行為が時間の無駄になっているのである。
ここで疑問が沸いてくる。
逆に考えてみると、紅白を見ている、テレビのチャンネルを紅白にしている、人達は一体なぜ紅白をつけているのだろうか。
出演している司会者や歌手に親戚がいて、何か見張っていないといけない事情があるのか?
家族でチャンネル争いを起こさないよう、年末は紅白で固定する、と決めているのか?
NHKしか見ない、と決めている家庭なのか?
私にとっては、不思議でしょうがないのである。
年末だし、これを観ると一年が終わった気がする、儀式のようなもの、という考えを聞いた事がある。
しかしこれまた不思議な回答である。
別に、どこかにお参りに行ったり、親戚と会ったり、儀式なんていくらでも作れるだろうにと思う。
それでも見る人達がいるのはなぜか。
悩んだ末に「あらゆる世代が共有している文化」だから、という結論にたどり着いた。
例えば、親戚の集まりに行くと、テレビがついていて、紅白に出ている歌手などを見ながら、3代目Jソウルブラザーズってことは1、2代目がいるの?
とかそういう会話が親戚のおじさんと子供たちの間で交わされてたりする。
また、天童よしみ的な歌手が出て来ると、おじさん達があの頃は・・・といった会話をして盛り上がってたりする。
K1やM1や、番組を見て、笑う、驚く、といった感じで、テレビと個人の1対1の戦いだが、紅白はネットワーク型のコミュニケーションが発生しやすい。
これは結構すごいことである。
インターネットも1対1の戦いになりがちだが、ネットワーク型コミュニケーションはWiiとかボードゲームとか、結構限られるものである。
核家族化が進み、親から子供まで携帯やゲームに没頭する時代、このようなコミュニケーションは貴重である。
紅白はつまらない。番組そのものはいつでも観れる。
ただ、ネットワーク型のコミュニケーションを発生させ、全世代が共通で知っている抜群のブランド力を持つ、稀有な番組である。
大切なのは、番組に誰が出演するか、とか舞台装置の凄さではない。
そんなものはフジロックとか、浜崎あゆみのツアーとかの方が凄かったりするので、その土俵で戦ってならない。
紅白が持っている強みとは、ネットワーク型のコミュニケーションとブランド力にある。
これを一層高めるべく、インターネットなどと番組を融合させれば、超強力な番組として復活するだろう。
以上

大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」
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