不動産業界の序列

2019年2月27日資産運用

不動産を買っていると色々な業者とコミュニケーションを取ることになるのだが、彼ら同士が話をする場にも同席する事がある。

そんな会話を聞いていると何となく不動産業者の序列が見えてくる。大きな傾向としては、取り扱う金額や規模が大きいほどに序列が高い様子が伺える。また、ややこしく細かい対応が必要な個人向けに比べて、法人対応をしている人達の序列が相対的に高そうな印象を受ける。

そして、発注する側、される側、という関係性も上下関係を生みがちな気がする。という訳で、何となくの感覚を以下の通り纏めてみた。

◆不動産業者の序列

ディベロッパー(三井不動産、三菱地所)ディベロッパー(住友不動産)
~~~別格財閥の壁~~~
ディベロッパー(丸紅不動産他大手)ディベロッパー(その他不動産)ディベロッパー系販社(三井、三菱etc…)
~~~デベの壁~~~
仲介(上記大手不動産)仲介(国交省の宅建業者番号が高い業者)
建設会社大手ディベロッパー大手
~~~大手の壁~~~
仲介(国交省の宅建業者番号が低い業者)仲介(都道府県知事の宅建業者番号が高い業者)仲介(都道府県知事の宅建業者番号が低い業者)
~~~賃貸の壁~~~
賃貸(法人の高額物件を扱う業者)賃貸(個人の高額物件を扱う業者)賃貸(一般人を対象に賃貸付けする業者)
~~~発注する・されるの壁~~~
アパマン管理業者・ビルメンテ清掃業者

~~~コンプライアンスの壁~~~

三為業者、アンコ業者、ふかし、とばし、その他もろもろのコンプライアンス違反の人達

~~~別枠~~~
インターネット業者

特殊清掃人(人が死んだときなどに対応してくれる)

保険会社

司法書士 、弁護士、行政書士

・・・

上のほうに行くと上流の土地・物件情報を手から手へと流したり、大型の地上げをやったり海外に行ってみたりとスケールがでかい。一方、下のほうに行くと本当に何でもある。

◆とあるゴミ業者のはなし

ある日、とある業者と会っていたのだが、三為中の三為業者だった。つまり、本来は法定仲介手数料の上限である3%+6万円のみしか受け取れない所、好きなだけ利益を乗せて売買する輩である。

その業者もご多分に漏れず、ゴミ物件にマックス金額のせて利益をがっぽり抜こうとしているのが見え見えだった。見た感じも50台なのに茶髪にロレックス、歯は手入れされてなくて銀歯がちらほら。たばこのやにもびっしり付着。

スーツは高いのを着ているものの手入れがされておらず、靴はぐにゃぐにゃといった具合だった。しばし会話していると、都内の築40年RCエレベーター付き7階建て、半分空室、1-2階は店舗、という物件を出してきた。パッと写真見ただけで痛みが激しく、購入と共に相当な手出しが予想された。

不動産の事一定程度わかっている人間なら、まずこのような物件を素人に進めるべきではないが、

「いやー、この物件どっすかー、いやねーいひひ、1.2億円なんですけど融資はバッチリです!エビ改ざんしてカチャカチャカチャーっとね!」

「通帳のコピーだけ貰えればカチャカチャーっと!銀行さんもわかってるからカチャカチャ!スルガさんなんて向こうがオッケーしてるから!」

50代でこれほどアホな不動産営業マンもいるのかと感心してしまったが、寧ろエビエビうるさいのに驚いた。そして、預貯金ゼロでもエビデンス改ざんして1.2億円ひっぱってごみ物件売ろうというのだからタチが悪すぎる。

然し、こういった明らかに胡散臭い業者と話しているとまだ危険を察知できるが、プロっぽくて親身に相談に乗ってるっぽい人間だと騙されかねない。偏差値が高い事で社会的地位を得てきた人たちは、このようなゴミのような人種と接していないので、本当の騙しになれていない。

仮に私がその辺のサラリーマンや医者・弁護士などに物件を売ろうと思ったら、簡単にだます自信がある。何故なら、自分が一定程度の学歴や職歴がある為、彼らに共通する考え方、 何が信用させるポイントで、何が不安なポイントで、何を以ってくすぐれば良いか、 が手に取るようにわかる。また、人を故意/偶然問わず騙そうとする業者100社以上に会ってきたので、彼らの得意パターンもわかるからである。

◆まとめ

話がそれまくったが、不動産業者には明らかな序列がある。そして、給与形態も大きく異なる。出来る1棟ものの仲介担当は5000万円もらってたりする。そして、出来ない人は300万円とかもザラである。

法人スキームが大流行したこの3年くらいで、数億円を稼いだ猛者たちも少なくないだろう。しかし、彼らの夏も終わった。スルガ問題で法人スキームが壊滅状態に追い込まれ、指値が普通に通る時代になり、サラリーマンならだれでもアパートを買える時代が終わりつつある。

1部屋、または1棟買って不動産業界に飛び込めば、そんなバブルの返り血を浴びたり、胡散臭い業者にあったり、微妙な会話の裏側にある序列を垣間見る事が出来る。

実に面白い世界なので、サラリーマンが手を出せる時が終わる前に、チャレンジしてみるのもお勧めしたいところである。


この記事を書いた人
りーぶら
りーぶら30代、都内在住、男性。

大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」

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