森友学園問題に飽きた?ウンザリ?マスコミは売国奴!

2018年3月27日日本の論点

学園シリーズ

森友学園、加計学園問題が騒がれ始めてから、いったいどれくらいたつだろうか。マスコミや野党は1つの学校を建てる迄のストーリーに火をつけて、線香花火のようにパチパチと火花を弾けさせながら煽り立てている。

昨年の総裁選という水をかけられて、線香花火は火花を散らす事もなくなるかと思われたが、今年に入って今一度火がつけられた。今回は勢いよく火花が散る手持ちの花火くらいの盛り上がりぶりである。

学園シリーズで得をするのは誰か

色々なところでウンザリするほど報道されている為、学園シリーズの細かい内容の説明は割愛するが、この問題を取り上げることによって誰が得をするのかを述べてみたい。

得する人①:野党

先ず、得をすることが明確なのが野党である。
安倍政権は過去の政権に比べて失点が少なく、昨年の総選挙で大勝利しているだけに基盤も盤石なため、攻める場所が限られている。しかも、確実な集票が見込める公明党と連立している為、盤石さが際立っている。

よって、野党は学園シリーズというネタで攻め込んでいたわけである。それがどんな問題かははっきり言ってどうでもよく、騒いで火をつけて、内閣が混乱すれば、彼らにとっては大きな戦果という訳である。

得する人②:マスコミ

どんなしょうもないネタでも、火をつけて盛り上げれば雑誌が売れ視聴率が取れる。盤石な安倍政権を追い込むには格好のネタであり、マスコミが取り上げまくっている。

得する人③:自民党内の反安倍勢力

こんなしょうもないネタでも、徐々に盛り上がってしまうと政権のイメージダウンは避けられない。安倍政権としては何とか問題を抑え込みたいわけだが、その為には内閣、関係派閥含めて緊密な連携をとって防衛線を張っていく必要がある。攻略作戦も重要だが、防衛戦は党内での影響力を拡大する絶好の機会である。

自民党の各派閥は、安倍総理の味方になる、ならない、という立ち回りを通じて影響力の拡大を図るように、このような防衛戦における立ち回りも勢力拡大に役立てる。

自民党内の力学と森友学園問題

影響力の拡大と言ってもよくわからないと思うので、もう少しかみ砕いて解説しよう。

先ず、全ての国会議員は常に次の選挙に受かる事を考えている。そして、何度も当選して地盤が安定してきたら、大臣など更に上のポジションにつくことを目指す。

上のポジションにつく為には、党内で沢山の国会議員を味方につける必要がある。味方になってもらうには、その親分が「当選」するために役立つがどうか、が重要になってくる。親分は子分に金を渡したり、資金集めのパーティで支援したり、党内で子分が役職に就けるよう立ち回ったりと、色々やってあげる。代わりに子分は親分の言う事を聞く。

これが派閥のシステムである。小泉政権以降、派閥システムはかなり影を潜めたが、今でも互助会的な機能を持っているのである。

森友学園における各派の動きとは

自民党は細田派を筆頭に、7派閥が存在している(安倍総理は細田派)。内閣を作る際には、夫々の派閥のバランスも見ながら大臣等を選出していく。そんな中、強い影響力を発揮しているのが麻生財務大臣、二階幹事長、石破氏、などであろう(夫々自派閥を持っている)。

森友学園問題に対する、それらのキーパーソンの動きを見ると、自民党の権力争いの関係が見えてくる。

二階派
先ず、二階幹事長は自民党の幹事長は党の財布を握る強権者であり、党員達の引き締め役でもある。権力が強く、党内随一の面倒見の良さが知られており(なついている子分が多く)、総理にとっても怒らせれば非常に恐い存在であり、常に機嫌を取っておきたい相手である。一方、強くなりすぎると、安倍首相とのパワーバランスが逆転してコントロールが効かなくなる為、うまく舵取りをしたい相手である。今のところ安倍首相の三選を支持しており、森友学園問題では財務省を批判する立場をとっている為、このタイミングで絶対に敵に回せないので、色々なアメをぶら下げて動いてもらっている可能性が高い。

麻生派
次に、財務省のトップである麻生財務大臣は「(財務省の問題は同大臣の責任という声を受けて)自分が辞めると安倍内閣が持たない」という姿勢を崩しておらず、現時点では徹底的に批判に耐える構えを見せている。麻生派のトップであり、もう首相になる可能性はないと思っている為か、アベノミクス貫徹を支えた過去最高の財務大臣との栄誉を得たいためか、マスコミに対して頑強に抵抗する姿勢を崩していない。

このような姿勢を取れるのは、地元の選挙区(福岡)が麻生グループの城下町であり、抜群の知名度もあって、絶対に選挙に落ちないという強みがあるからだろう。

石破派
最後に、元防衛大臣、元幹事長の石破氏は安倍首相や麻生大臣に責任がある、と言ってはばからない。同氏も島根県の小選挙区選出であり、地盤はダイヤモンドよりも固く、何が起こっても落選する事はないだけに、常に強気の姿勢でいる。また、派閥の長ではあるものの、安倍内閣から冷遇されており、党内の重役にもついていない為、自派閥を拡大出来ていない、という点でも不満が大きいだろう。故に政権に対して批判的であり、森友学園問題はある意味チャンスともとらえている事だろう。

まとめ

森友学園問題は野党、マスコミ、自民党の権力争い、の賜物と言えよう。問題の背景や本当の理由などが判然としていない状況だが、少なくともいえるのは、この問題を国会で何時間取り上げても日本は何もよくならない、という事である。

仮にここで安倍政権が倒れて、内閣を作り直してバタバタすれば、政治に空白期間が生じるのは必至である。また、せっかく盛り上がっていた憲法改正の機運はかき消されるだろう。そして何より、デフレ脱却の起爆剤となってきたアベノミクスが終わってしまう。

これは日本の歴史にとって大ダメージになる。人口がピークアウトし、世界に類を見ない高齢化が進んでいる中で、再び経済が停滞すれば本当に致命的な状況になる。1200兆円の借金と共に日本が沈みかねない。

森友学園問題で騒いでいる人達は、日本のデフレ問題や財政赤字、被災地の復興、原発問題などを自分の問題だと思っていない。

仮に自分の事だと思っていたら、こんな小さな問題で大騒ぎしている暇はない。

森友学園問題で騒いでいる人達は、シリアの戦争や北朝鮮の脅威、米国の保護主義などを、自分の問題だと思っていない。

日本の様々な問題に関心を持たず、世界の中の日本という位置づけを認識しようとせず、1つの学校の問題で大騒ぎしているのは、売国奴と言っていい。

我々大人は今の日本をより良くして、次の世代が健やかに生きていける環境を創っていく責任がある。

森友学園問題を見ながら「ふーん、よくわかんないけどなんか騒いでるな」と思っているとすれば、それは今の日本をダメにし、子供達の将来を踏みにじっているのと同じである。

森友学園で大騒ぎする人達やマスコミに対する憤り、が日本に広がってほしいと心から願う次第である。

以上


この記事を書いた人
りーぶら
りーぶら30代、都内在住、男性。

大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」

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