日経電子のバーン〜懐かしさマーケティング
これはインパクトのあるCMである。電車の広告を観ると、お、周瑜、お、陸遜、などと思ってしまう。
あー張飛いたなー、桃園の誓いじゃないか、なんて懐かしい気持ちになり、三国志60巻セットを買ってしまった。
こんな気持ちを抱いたのは、きっと私だけではなく、20ー50代のサラリーマンで、三国志を読んでいた人なら皆そうだったのではないか。
このCM戦略の何が見事かというと、日経新聞を読むであろう人達に訴えかけている点である。
日経新聞を読む層は、一定程度の教養があり、社会人として働いている人達である。
そんな人達は、幼い頃に一定の教育を施す家に生まれたことだろう。
そして、三国志を読んでいた可能性も高い。
それを見事に読み切ったCMなのである。
私は、自分の仮説が正しいか、複数名の非サラリーマンに話を聞いてみた。
特に、教養を育てづらい家庭に育った人や、いわゆるDQNと言われる人達と話した。
すると、あのCM何?わけわかんない。
日経新聞とかおじさんが読むやつでしょ?とかそんな感じだった。
このような層に、読んでもらう必要はなく、読んでもらったとしても続かない。
そもそも読むインセンティブもない。
だから、その人達に訴えかける必要はない。
訴えかける人に訴えている、という意味でこのCMは大成功だと言えるだろう。
サラリーマンとして生きていく上でも、このマーケティングは非常に参考になる。
有限な自分の時間や、お金を、必要なところに集中的に投資すると大きなリターンが得られる。
このCMはそんなことまで示唆しているのである。
以上

大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」
■関連記事
小学生のころ、ゲームが死ぬほど好きで、ゲームやりながら死んでもいいと思っていた。今思えば何が楽しいのかさっぱりわからないが、祖父母の家に行ってはセガサターンのサンダープロレスリング列伝、やソニックなど... 続きを読む »
昨年、トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認めたというニュースが駆け巡った。 私もこれには相当おどろいたが、世界の全体最適的な観点からすると、人種や民族の対立を悪戯に煽る最悪の発表だったと言... 続きを読む »
実に興味深い一面広告が日経新聞に掲載された。 Godivaが「日本は義理チョコをやめよう」と訴えた広告を出したのである。曰く、チョコを贈る、というのは贈られる人だけでなく、寧ろ贈る人の気持ちが大切であ... 続きを読む »
日大アメフト部員が謝罪会見を開いた。 監督や大学関係者などは出てこず、部員1名が出てきて謝罪していた。 この会見を見て、なぜ部員1名が会見しているのか、と違和感を感じた人は多いのではないだろうか。 そ... 続きを読む »
先日、Smart Newsの記事に興味深い記事が載っていた。若者は電話に出ない問題、というのがある、というのをテーマにした記事である。 ホリエモンが電話に出るのは時間の無駄、といったコメントをしている... 続きを読む »