不動産投資の仲介業者に感じる違和感~本当に儲ける為には~
最近、不動産投資の検討を進めており、色々な仲介業者に会う機会がある。業者に会うたびに、説明される内容に違和感を感じる事がある。どの業者も一様に、それ常識でしょ、みたいな顔をして説明してくるのだが、どうしても納得がいかないので、それらの違和感とその理由を以下に分析してみたい。
融資の年数を伸ばせるのでキャッシュフローが出る
これ略全ての業者が言う上に、伸ばせるだけ伸ばそう的な言い方をするが、買って売る迄を1つの投資と見た場合、完全に損をする考え方である。確かに、20年の融資を40年に延ばせば、毎年の支払いは半額になる。よって、手元にキャッシュが残りやすくなるが、残債が全然減らない。
仮に融資に頼る必要がないほど現金を持っていたら、そもそも金利払いたくないので融資なんて受けないだろう。つまり融資期間を延ばすというのは、銀行に沢山金利を払うという選択となる。
恐らく、業者は預貯金が少ない人を相手にすることが多いので、キャッシュフローが出るというのを営業トークにするのだろうが、融資年数の引き延ばしは「利益の先食い」であり「銀行への金利払いの増加」という選択に過ぎない。
私はそもそも不動産投資始めるなら1億円位貯めてやるべき、というタイプの人間なので、仲介業者が貧者の投資スタイルに慣れ切っている事に違和感を強く感じるのである。
物件総額が大きくないから買い
この営業トークも本当によくわからない。3000万円位の物件はサイズが小さくて融資も付けやすいので買い、といった説明を受けるが全然意味が分からない。買うか買わないかは、利益が大きいかどうかであって、金額の大小は関係ない。
平成築
年寄系の営業マンは平成築だから安心、といった営業トークをする。来年には平成が終わるこのご時世、平成元年だと築30年になる。20年前は平成築も新しかったのだろうが、今はもはや平成築と言われても新しくもなんともない。なのにどや顔で平成築、などというのは、営業マンとして時代の流れについていってない証拠に他ならない。
駅から遠い物件は駐車場がないとだめ
これも非常に違和感を感じる。確かにセオリー的には駐車場があればベターだが、神奈川や埼玉とかはバス便が発達しており車持っていない世帯も多い。特に最近は車離れが加速している上、シェアカーなども発達してきているので、駐車場がいらなくなってきているケースも少なくない。駐輪場さえあればOKなんてケースも多い。
このような社会環境の変化を感じないまま、セオリー通りに駐車場駐輪場言っているのは不勉強。「ここは駅から遠いけど駐車場はなくても大丈夫、何故なら・・・」くらいの営業トークが出来て一人前だろう。
その利回りは出てこない、業者が買う水準
こういうコメントが一番腹が立つ。実際、私は只管現場を回り、業者と仲良くなって、そういった水準の物件を探し出しては買い付けを入れてきた。にもかかわらず、それは無理、と客に対して諦めるよう促したり、死ぬ気で提案してこない業者が多すぎる。
1億円の物件を買うと、業者は仲介料で306万円も得る。こんなに多額の報酬を得る業界は国家資格を取っている士業ですら無い。なのにこの営業トークは客をなめすぎ。こういう営業担当は往々にして、紹介する物件の周辺エリアを学んでおらず、質問しても大した返答が返ってこないケースが殆どである。
新築なので指値は無理
これもまず嘘。ディベロッパーは利益をのせて売っており、少し削っても全然いける価格をつけている。にもかかわらず指値交渉をはねつけるのは営業マンとしての努力不足に他ならない。ディベロッパーとの信頼関係を築いており、別件などでも関係を深くしていれば、別件をネタにして指値を通すというのも十分に考え得る。
指値が出来ない、と言っている時点で、自分に付加価値はありません、と言っているのと変わらない。
不動産で不労所得が得られる
はぁ?と言いたい。物件買うまでに大量の物件を見て買い付け入れている。10年で回収なのでその期間中のリスクも背負うことになる。リスクを回避する為の策を講じたり、管理会社と関係作ったり、全然不労ではない。
株はかなりオンラインのデータをベースに分析するので、勉強はたくさんするものの不労所得に近い。正確に言えば、物理的な行動が少なくて済む。だが、不動産は現地見に行ったり人と喋ったり、身体を動かすことが多いので全然不労所得ではない。
融資がつく物件です
これ一番訳が分からない。積算が出ます、融資が出ます、と説明してくるのだが、エリアの発展性、利回り、客付けなどが後回しになっている。
大切なことは満室経営して表面利回りをちゃんと確保する事であり、買った物件を売る時に、悪くない金額で売れる事である。運営によるインカムゲインと売却によるキャピタルゲイン、それらをトータルして1つの投資が完結する。よって、その両方若しくはいずれかで、トータル3%/年は取れる物件でなければ買うべきではない。
にもかかわらず、融資がつきます、と言われるとカーっとなる。その言葉は私にとっては、「俺は売ったら仲介手数料が入ってきて終わりなので買ってくれ。融資がつくと確認してるので早く売らせてくれ。あんたの人生など知ったことではない」と言われているように聞こえる。
「じゃあお前が買え」と言いたい。実際そう伝えると、不動産屋は属性が・・・融資が・・・とごちゃごちゃ言うが、自分が買いたいと思わないものを、あなたはお金持ってるからこれ買えます、というのは失礼極まる。
銘柄教えてくれ
融資付けの際、株の資産も開示するが、とある仲介業者が、銀行が融資する為に銘柄の名前と金額も開示しろと言っていると告げてきた。そんなもの関係ないとはねつけたが、どうやらこの業者は私が財を成している理由は株にあると思って買っている銘柄を把握して自分も買おうとしているようだった。
本当にクズだと思う。
以上、不動産投資は資金投下、時間、物件の償却、税金など、色々な要素が複合的に絡む為、このような不思議なコメントが飛び出すが、不動産投資は、その人の環境や属性に合わせて最適なものが変化する。
株は人による手法の違いが少ない。儲かる株は儲かるし儲からないものは儲からないからだ。そして、時間の概念が少なく、換金性が高い。よって投資とは言っても不動産とは別物で、人を選ばない。
いずれにせよ、どんな投資でも本質的に稼げるかどうかが重要。誰がなんと言おうと、自分の環境にあった物件をしっかりと見極めて買い進めていきたい。
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大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」
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