iDeCo(個人型確定拠出年金)で損する人達

2018年4月9日資産運用

高齢化が進み、国家にとって年金負担が重くなっている昨今、iDeCoなるサービスが登場した。

要は、個人で年金積み立てるなら、税金安くするよ、というサービスで、国が仮に年金払いが遅くなったり、十分に年金が払えなくなった場合でも安心というものである。

確かに、税金が安くなる、掛け金で運用して発生した利益は非課税、などのメリットがあり、魅力的な感じがする。

例えば、月間6.8万円かけて30年くらい払い続けると、約700万円のメリットが得られる。口座維持手数料が30年で8万円かかるとしても692万円得をする。。。

こう書くと、今すぐにでも始めたい感じがするが、冷静になって考えるべきである。

というのも、一度掛け金をかけ始めると、60歳になるまでお金を引き出すことができない。30歳であれば30年間もお金が拘束されるということである。

仮に毎月6.8万円を株式に投資し、年間2%で運用できたとしよう。すると30年後には3340万円になる。

掛け金の総合計は2448万円なので、892万円の利益となる。30年後に利益確定で売却した場合、20%の税金を払ったとしても、713万円の純利益となる。

つまり、イデコにかけるより儲かるのである。しかも、個人で株式投資する場合、いつでも引き出せるし、どのような商品にも投資できるので機動力がある。

更に、株式投資で2%というのは相当控えめに見積もったリターンであり、実際はもっと儲かる。というのも、例えば高配当で大企業の総合商社などに投資した場合、配当は3%程度ある。

株式価格の増減とは別に3%得られる。仮にこの利回りで運用した場合、30年で得られるリターンは3935万円となり、リターンは1487万円、税引後でも1189万円となる。

こうなると、イデコとの差額は500万円に達する。

ここまでくると、お金を塩漬けにしてしまうイデコは、資産育成における最大の武器である複利を放棄することになり、いかに機会損失が大きいかがお判りいただけるだろう。

国は年金払いに不安があり、このようなサービスをうみだした。

そして、証券会社などのイデコ引受会社は口座維持手数料や投資手数料で儲けられるため、政府の動きに合わせて一生懸命、個人をこの枠組みに引きずりこもうとしているのである。

イデコは、複利の力を知っている人間なら決して選択しない投資であり、複利による利回りをいかに高めるべく学び、世界経済の把握に務めるか、これが個人投資家として生き延びていくためには欠かせないと思うのである。

以上


この記事を書いた人
りーぶら
りーぶら30代、都内在住、男性。

大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」

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