デリー、バラナシ、アグラ、ジャイプールの旅 ~インドの旅はカレーの香り~④
3日目:デリーからバラナシへ
朝、ホテルをチェックアウトしてデリーの空港へ向かった。
デリー、アグラ、ジャイプールは車で移動できる距離(5時間くらい)にあるので、ゴールデントライアングルと呼ばれており、観光に人気のエリアとなっている。しかし、インドに来たらどうしてもガンジス川が見てみたかった。インド人がなぜそこを聖地と呼ぶのか、その歴史を学び、その街並みを見て、どんな人がどういう風に生活しているのかを見てみたかった。
というわけで、国内便に乗ってバラナシへ。
デリー/バラナシ11:10/12:30(Jet Airways 9W-2423)
無事飛行機がバラナシの空港に着陸し、空港を出て、とりあえずガイドお勧めのカレー屋へ。酒を飲んで2000円位だったが、おそらくここもガイドへのキックバックが入るのだろう。食事を一緒にしようと誘うと、神妙な面持ちで感謝しながら同席していたが、その飯代の15%位が懐に入ってくるのだから、まあ役者である。
しかし、どこに行ってもカレーがうまい。カレーが超絶好きな自分としては、たまらない国である。
インドに来ると、腹が痛くなると聞いていたので、かなり警戒していたが、今のところ下す兆候はない。インド通に聞いたところによれば、水などの不衛生さで腹を下す事もあるが、それ以上に油を多用した料理に日本人は慣れていないので、油で下すことが多いとの事だった。
という訳で腹ごしらえも済み、釈尊の初転法輪の地サールナートへ向かった。
サールナートにて
仏陀が最初に悟りを開いたのがこの地であり、仏教の4大聖地のひとつとされる。
悟って、最初は鹿に説教したりしていたので、鹿野園とも呼ばれる地である。まあ、こんな一言で書くと、どんな気×ガイだよ、と思ってしまうので、詳しい話については、以下を参照されたい。ここに来るなら必読の書である。
今度は極太のち・・・というかモニュメントがあるのは良いんだが、なぜその形なのかとか今一つよくわからん。
そして再び土産物屋へ
今度のガイドは、チャイ飲みたい作戦でせめて来なかった。
自分の生い立ちを話し、日本に留学していたことがあるストーリーを語り、如何に日本人が好きか、そして日本を見習ってインドを良い国にしたい、なんて泣かせる話をしていた。
そんな話で惹きつけつつ、日本人がインドに来て好きになるところの話を重ねていく。
ガイド「日本のカレーの種類とインドのカレー、スパイスに慣れた自分たちの舌、刺身を食べると体が冷える・・・インドは暑い国で、スパイシーなものを食べて汗をかくのが健康にいい、実はスパイスは汗をかいた後に体温を下げる効果がある。。」
ホー、なかなか興味深い。なんて相槌を打っていた。
ガイド「日本は四季があって寒い、だから結構暖かい服着ないといけないけど、インドで軽装に慣れてる自分には厚着が大変だった。。日本の人は寒い時に厚着しますけど、結構重たくないですか?」
俺「確かにねー、まああまり厚着好きじゃないけどねー」
ガイド「そうでしたか、そういう人たちに結構喜ばれるのがインドシルクなんですよ。触り心地抜群で軽くい。伝統的な製法を見れるので、知り合いのところお連れしますね」
なんて会話しているうちに、インドシルク工場についた。このあたりの寄せ方は抜群にうまい。寄せ方はもはやプロゴルファー猿なみと言っていい。インドシルクが好きでなくとも、製造工程を見せるという観光の要素を交えながら攻め込んでくる。
そして見学開始。
おじさんが機織り機をギイギイ言わせながら織っていた。工場と言われてきたので、この奥に別の施設があるのかな・・・なんて思いながら進むと、こちらです・・と言われて通された部屋は窓のないだだっ広い一間で、インドシルクのマフラーや壁紙など、数千点はあろうかという部屋に座らされ、じっくりと品定めする事となった。
そして再びチャイ。
いつもチャイが出てくる。土産物屋=チャイであり、ガイド=店のおやじと仲いい、というのはどこに行っても同じ光景である。
結局、ほしいものは高くて買えなかったので、土産用にきんちゃく袋を1個買って店を出た。
そしてガンジス川からホテルへ
そうこうしている間に、日が暮れてきた。バラナシについたのが昼過ぎなので、夕方になるのが早かった。そして、川べりに案内され、20分くらい待っていた。どこに行くのか?と問うとホテルに向かうのだという。
ホテルは夫々の街で一番良いところで、高級なところをbooking.comで調べて取っていったのだが、船に乗るとは聞かされていなかったので驚いた。
ガンジス河のほとりでまつ。
そしてやぎ。
そして結構でかい船が来た。50人は乗れるであろう船だったが誰も乗っていない。どうやら私を迎える為だけにこのでかい船が来たらしい。実にぜいたくな話だった。ポーターが旅行用のトランクを船に積み込んで出発。
以下は火葬場の写真である。わずかな炎と立ち上る煙が見える。
そしてホテルに到着。
BrijRama Palace A Heritageホテルは、ガンジス河にあるガート(沐浴場)の1つに面しており、ロビーから見える景色は爽快そのもの。実に気持ちがいい。イギリス人のなんとかさんの別荘を改装したものらしい。
前日、デリーのLeela Palaceに泊まっており、最高級・最新鋭の設備を入れた環境から一転、歴史と格式のあるホテルに泊まった為、部屋の古さが気になったが、ホテル内は歴史の重みを感じさせる作りだった。
到着と同時に花の香りがするお茶が出てきて、ロビーに漂うきんもくせい?のような香りも実に素晴らしかった。
ガンジス河で見た儀式(プジャ)
ホテルで少し休み、街中の道を通り抜けてガンジス川へ向かった。
街中の道、といっても、建物が密集しているエリアの隙間といった雰囲気で、まともな道ではない。狭く、曲がりくねっている上、そこら中にあらゆる生き物がいる。
牛、馬、ロバ、ネズミ、犬、ねこ、鳥、ゴキブリ、人間の爺さん、子供・・・それらがクソまみれの道に横たわっていたり、動き回ったりしている。
その横で、パンみたいなものを油で揚げていたり、野菜を売っていたり、水道管が壊れて水が噴き出していたりする。更にその横から、便所を流す音が聞こえ、小便なのか何なのかわからない水が道路に吹きこぼれている。
しかも暗くてよく見えないし、石畳の道なのでぬれていて滑る。
足元に気を張って歩いていると、肩の高さにいる犬が吠える、驚いてよけつつあるくと、曲がり角に牛の尻が飛び込んできて通れない。。。
もはやカオスだった。そしてようやくたどり着いたガンジス河に近づいたが、有り得ない程人がいて、とても川に近づけない状況だった。爆音で音楽がかかり、あらゆるところから音が聞こえ、異常な熱気に包まれている。
ガイドが「今日はここはだめだ、向こうに回り込んでみよう」と言って、歩き始めた。どうやら道を間違ったらしく、入った処に信じられない数の鶏がいた。正確に言うと、暗闇でよく見えなかったが、凄まじい臭気と明らかな生命体の息吹、ガサガサと動き回る音に大量の羽、そこから鶏だと判断されたものだった。恐怖で体が硬直しているのが自分でもわかった。
そんなこんなで漸く誰かの家の屋根みたいな処にいざなわれた。そこで、1人500円、と言われて金を払う。またガイドの懐に還流するのかもしれないが、もはや選択肢もないし、大量の人ごみに戻る力も残されていない。兎に角暑くて熱気が凄い。
とりあえず金を払って、所謂特等席から見る事にした。
兎に角有り得ない程に人が集まり、写真右手のガンジス川に向けて祈りをささげている。川の上にも船が所狭しと並び、人々がその光景を見つめている。インド10億の民が、この光景を求めてやってくるらしい。インドの凄まじいパワーを感じた瞬間だった。
そして、再び狭い路地を歩く恐怖に包まれながら、何とかホテルの部屋にたどり着き、疲れ果てて泥のように眠りについた。

大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」
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