ソフトバンク株式会社の上場は評価できないと感じる理由

2018年1月27日資産運用

ソフトバンクの国内携帯会社が上場するというニュースに私は衝撃を受けた。更に驚いたのは、このニュースを受けてソフトバンクグループの株価が上昇したという事である。

資金調達の手段として子会社を上場させるというのは、グループ全体の資金調達方法が生まれて有利子負債も返済しやすくなり、資金繰りも楽になるという意味で短期的には評価できる。

しかし、中長期的なグループの成長を考える時、親子上場という非効率的な手段を取ったというのは全く評価できないと感じる。ソフトバンク株式会社の直近の税後利益は14,263億円であり、この会社を上場する事で得られるキャッシュは20,000億円である(保有株の3割を売却する前提)。

つまり、14,263億円の30%にあたる4,279億円を社外流出させる代わりに20,000億円を手にするというdealである。

金額が大きすぎて実感できないかもしれないので、個人ベースの話に置き換えてみよう。例えば、仮に自分が毎年1,000万円生み出す会社のオーナーだったとしよう。その会社の100%オーナーの場合、5年後には5,000万円を手にすることになる。

この会社から得られる収益を700万円にする代わりに、一時的に1,500万円を手にするという取引をあなたならするだろうか?

700万円×5年+1,500万円=5,000万円なので、お金が初年度に2,200万円はいってくるという意味では、割引率考えてもお得と言える。但し、この前提は5年間だけで比べている、という事に加え、売却する会社は将来的に収益は略Stayと見込んでいるという点を見逃してはならない。

つまり、100%オーナーのうまみを手放しますよ、早くキャッシュが欲しいです、売却する会社は成長しないかもしれません。。。と対外的に発表しているに他ならない。

よって、こんな事業会社を成長させられないし、現金を手に入れたいと宣言するようなdealを評価する理由がわからないので、株価が上昇する理由が私にはわからない。

むしろ、それほどにキャッシュに困っていると判断せざるを得ない。

仮に私がこのdealを評価するとすれば、手に入れたキャッシュをどう使っていくか、というポイントである。単に借金返済するだけなら、低い格付けがちょっと改善するだけだろうが、Armに次ぐ成長を見据えているとすれば、間違いなく買いの判断を下すだろう。

今回の上場話は、上場によって得られるキャッシュを使って何をしたいか、という点が見えてこないので、私はこの時代に逆行するような上場を全く評価できないのである。

以上


この記事を書いた人
りーぶら
りーぶら30代、都内在住、男性。

大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」

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