リアルファイトin池袋

2018年1月20日処世術

12月11日、師走の町を足早に歩く人々の群れに紛れ、池袋に立っていた。

クリスマスモード全開のこの場所では、青いツリーとカラフルなツリーが東口を彩っていた。全国二位の乗降率を誇るこの駅は、付近の混み具合もそれを理解させるに十分なほどであった。

人は、自分の領域というものを持っている。その領域に踏み込まれると、自然と拒絶反応を起こすものだ。

東京の満員電車など、まったく持って非人間的なものだろう。拒絶反応の連鎖が、30分も続くなど狂っているとしか思えない。。。

と、話がそれたが、11日の池袋の町にもまた、自分のテリトリーを侵害された者同士が、生存をかけて戦いを繰り広げていた。

町をふらふらと歩いていた。ふと右を見ると、車が道の真ん中で停車している。その横にはチンピラ風の男と、背が高めの男。この二人が、今回のバトルの主人公だった。

なぜバトルが始まったのかはよくわからない。俺が見たとき、言い争いが起こっている状態で誰も近づけない雰囲気だった。

一台状況を理解していない車が後ろから近づいてきたが、状況を理解するとすさまじい勢いでバックして去っていった。

男二人はお互い罵詈雑言を浴びせた後、立ち去るかに見えた。。。二人は反対方向を向き歩き始めた。。。

と、その瞬間、背の高い男が回し蹴りを顔面に入れるべく動いたが、蹴りはむなしく空を切った。

その動きに反発するかのように、チンピラも飛び掛り、凄まじい戦いが始まった。もの凄い勢いでボディにパンチ、キックが入る。二人はつかみ合ったまま、路上駐車の自転車に倒れこんだ。

自転車が倒れ、さらに殴り合いは加速した。周囲にギャラリーは増える一方だった。

その時、チンピラが大技を繰り出した。その技の名は、ブレーンバスター。

まさに見事な決まり方だった。チンピラが背の高い男を天高く持ち上げ、そのまま背中の後ろに叩き落した時、周囲のギャラリーから喚声が上がったほどであった。

背の高い男は頭から落下し、相当なダメージを受けたようだが、それが彼のリミットブレイクだったらしい。これまでやられていた彼が、急に猛反撃に転じ、蹴りやパンチを猛烈な勢いでチンピラの頭部に浴びせた。

もはや、諍いは手のつけられない所まで来ていたが、そこに禿げたリーマン風のオヤジが現れた。

誰も近づかない現場に、オヤジは何事もなかったかのように近づき、静かに飛び散っている財布や携帯を拾い上げた。さらに横から、20代後半に見受けられる男が飛び込み、背の高い男を押さえつけた。。。

こうして、戦闘は終了したが、なかなか興奮する戦いであった。なかなかどうして、人間同士の争いは見ていて非常に興奮する。なにより、生存をかけて戦っており、八百長の入る隙もない。

ローマ時代、闘技場で奴隷が戦わされていたというが、人間の心理からして非常にエキサイティングな娯楽である事は間違いないだろう。。。

と、また話がそれたが、要するにオヤジは凄いという事です。


この記事を書いた人
りーぶら
りーぶら30代、都内在住、男性。

大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」

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