陸路でバンコクからシェムリアップに行った時の話@シェムリアプ

シェムリアップにて

9月15日、昨晩はへとへとになっていたが、楽しみにしていたシェムリアップを巡れるという事で、やる気満々で目を覚ました。

朝、日本人のおじさんと二人で、街にいたトゥクトゥクの親父を捕まえ、一日観光貸切二人合わせて12ドルで話をつけた。アンコールワットに向かう。

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アンコールワットで出会った少女

高い木々に囲まれながら美しい道を進む。森が開けたところに、アンコールワットはたたずんでいた。

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衝撃と感動で鳥肌が立つ。左右対称の巨大な石造寺院。遠くから見ても近くから見ても驚くべき建造物。天井から壁まで、隙間なく彫刻が施してある。全体を見るべく寺院の頂上を目指す。上りきると小さな女の子が現れた。かまってくれと手を握り、彫刻に見入る俺の周りをウロウロしたり、俺を叩いたりした。

めんどくさいと思ったが、高い高いしてやると大喜び。はしゃぎまくって大変なことになったので、ちょっと遊んでやることにした。何を言っているかは、わからなかったが、とてもかわいらしい子供だった。世界遺産アンコールワットの頂上で、子供と走り回って遊ぶという罰当たりな行為だったが、人が少なかったため、周りの観光客もみな笑顔で見守ってくれた。

(日本人のおじさんの股間にけりを入れる少女)

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トゥクトゥクのおやじの昔話

昼時になったので、子供に別れを告げ、バイヨンという、顔の彫刻で有名な寺院を見て、遺跡の前で昼食。

昼食を食った飯屋より遺跡を臨む

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そこで飯を食いながら、トゥクトゥクの親父と2~3時間語り合った。そこでオヤジはポルポト時代の話を始めた。ポルポトは世界で最も非道な指導者の一人であり、カンボジアの三分の一を虐殺した、ポルポトの時代を10歳の時に経験したとオヤジはいった。

当時、ココナツの実を木からとって食べたりすると、許可もなしに食べたといって殺されるため、森の中でこっそり食べていたそうだ。現在、ココナツを切るナタは、人間を殺すために使われたという。

オヤジはさらに話をつづけた。。。悪いことをした奴が、刑務所に入った。そいつが許せなかった親父は、そいつの出所後、森に行ってそいつを撃ち殺したと笑顔で語った。罪と罰が、カンボジアではリアルの出来事として起こる。。。驚くべき話を数多く聞いた後、再び遺跡を見に動き始めた。

タプロムにて

タプロムという遺跡は、ここ、アンコールワットで最も衝撃を受けた場所であった。遺跡は森の中深くにうずまり、木の根が遺跡を侵食し、深く苔むしていた。ここにいると、不思議と涙がこぼれそうになる。

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人間が英知を結集し、富を集めて作ったこの遺跡は、長い年月と共に、自然に飲み込まれた。人工物が長い年月を経て、自然に帰る。どんな人工物もいつかは自然に還る。石が崩れ、森となる。その過程を見ることは、自然を見ることであり、地球の命を感じることである。遺跡を見てこの時ほど感動したことはない。深い畏敬の念を抱く。この感動は生涯忘れることはないだろう。。。

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アンコール遺跡群で他に印象深かったのは、スラスランと呼ばれる人造の湖を見渡せるテラスや、プノンバケンというアンコールワット周辺の遺跡群や、街などをすべて見渡せる小高い丘だった。そこでの景色は息をのむ。草原に所々椰子の木が生え、その草原を、遺跡を隠し続けてきた深い森が囲んでいる。はるか遠く目の高さに雲があり、龍の巣のような巨大な雲が青い空に、どこまでも高く聳え立っている。

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この地が800年前、東南アジアで最大の国家の中心地として繁栄し、文化の中心として栄えていたことに思いを馳せると、全身の五感が震え、古代にタイムスリップした心持となる。

遺跡の中を回り、様々なものを見たが、今日回った場所はまさにラピュタの世界だった。あのテーマソングの世界だ。活気に溢れる街中から、自然へ。森に包まれた遺跡から再び自然へ。遠く地平線に沈む太陽。森に包まれた遺跡。そしてカンボジアの人とのふれあい。

どれも、感動的で満足の一日は、アンコールビールと、カンボジアが誇る、焼肉onサラダの、「Lok Lak」という、この上なく美味な組み合わせと共に過ぎていった。。。

ちなみに下の写真は、森に包まれた遺跡、タプロムにて撮った写真。

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この記事を書いた人
りーぶら
りーぶら30代、都内在住、男性。

大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」

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