大学生こそ株取引すべき理由
株取引に勝つには、多大な勉強が必要になる。会社の財務諸表を読める力が必要なのはもとより、その財務諸表と会社の概要説明等から、その会社を取り巻く環境を把握する力が欠かせない。
会社を取り巻く環境とは、個別の業界環境の事であり、大きな目でとらえればマクロ経済のことである。これらに関し、広範囲かつ多様な視点を持っていなければ、株取引では勝てない。
また、勉強をしているだけではだめで、実践による株取引の経験が重要となる。例えば、2000年代初頭に起こったネットバブルの時、半導体関連株がどのような動きをしたのか、などを体感しているかどうかで、今の半導体株価をどう見るかが変わってくる。
短期的に見れば、半導体は絶好調で永遠にこの需要過多の状況が続くように見える。しかし、15年前もそうだったが、半導体の需給はどこかで調整局面が必ずやってくる。
半導体の需要が大きいと、サプライヤーが一気に設備投資に走り、供給過多気味になっていく。そんなときに世界経済が減速したりすると、目も当てられないくらいの供給過多になり、半導体関連株がナイアガラ状態になる。
頭が良ければ、過去のチャートとニュースを見比べて、過去に何が起こったのかを分析できるのだろうが、凡人はそこまで想像力を働かせられない事も多いので、経験がものをいうのである。
勉強と経験は積み重ねることで、より複合的な視点を得られるものであり、積み重ねを始めるタイミングが早ければ早いほどいい。しかも、勉強する事で、これまで見聞きしても頭に入ってこなかったものが入ってくるようになるので、加速度的に学びが増えていく。
つまり、お金と同様に複利の効果が働くと言っても過言ではないのである。
株をやる事で、企業そのものやマクロ経済に興味を持つため、自然と勉強する力が身についていく。株の情報を探し回ると日経新聞を自然と読むようになる。
大学生から時々、日経新聞は読むべきですか?と聞かれるのだが、本気で株をやっていたら、読むべきかどうか、問う意味すらなく、「自らの食い扶持を稼ぐ為に読みたいと思うもの」なのである。
という訳で、大学生にはぜひ1年生くらいから株取引を初めてほしいと思う。アルバイトか何かで10万円貯めたら、余裕でスタートできる。最初は博打的なところにかけて元手を増やすのでもいいだろう。
そして、50万円位たまってきたら、必死に企業を分析し、マクロ経済を勉強して、有望な株をしっかりと見極めて買うべきである。更に、株取引の先達に会いに行くのもいいだろう。そういう人たちとの出会いは、10万円、いや100万円払っても安い。
20歳前後で資産運用への感度を高めておけば、経済的な自由を手に入れる日は遠くない。そうすれば、会社にぶら下がる必要もなくなるので、リクルート期間中に一括採用されて社会人になったとしても、「養老の滝の人々」になったりせず、プロ意識の高いサラリーマンとして働いていける事だろう。
以上

大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」
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