2000年代の大学生の試験シーズンとは

2018年1月20日処世術

試験期間中は、ジョナサンに始まりデニーズに終わる。

それは、大学に通い勉学に打ち込む生活の中で確立されたスタイルである。まず、吉野家、松屋と言った貧困層の食堂で朝の空腹を埋めるべくブランチを取る。もちろん大盛り。

そして一路デニーズに向かう。

貧しい大衆のカウンター席から、すわり心地最高の席へ。毎回4人がけに2人で座り、隣の席に資料を置きながら効率的勉強環境を整える。

店にて注文するのは、ファミレスお馴染みのドリンクバー。320円で、10種類以上のドリンク飲み放題の上に、店員が持ってきてくれる。

最高の環境で、10時間。一心不乱に勉強をする。

半年かけて講義されたものを、その10時間に圧縮して吸収する。

半期集中科目は分量が二倍になっている為、一年分をその10時間に圧縮する事になる。生ぬるいことは言っていられない。脳が発熱で溶ける寸前まで稼動させる。

まず勉強を始めるにあたってせねばならぬ事は、講義名の把握と知人からもらったノートのコピーの並べ替え。

そして、全体の把握である。きちんと今年のノートのコピーは揃っているか、順番は間違っていないか、どういった方向性で学ぶべきか戦略を立てる。

手元にあるのは、自分の文字ではない紙の束と、数年分の過去問。

キーワードに線が引いてあるようなノートは、コピーで見えなくなるので、必死状態に追い込まれる。

美しく、まとまったノートの獲得は進級の生命線である。良いノートを手に入れるためには、そのノートと等価交換出来るブツを所持しておくとよい。

他人のあらゆるノートの流通を仲介する、ノートの総合商社になれば、必要なものは大体手に入る。

やはり、大きな組織に所属している奴らは、ノートの総合商社になるといった努力せずとも貴重な財を手に入れている。これが、組織の力と、身近な所で感じさせられる例だ。

ノートをもらったら、あとは、全知全能を注いで記憶し、理解する。

高校の頃も、人のノートをコピーしまくっていたが、今も昔も結局何も変わっていない。

ただ、高校生のころはコピーで戦える余地が少ない。というのも試験のスパンが短いからである。

大学生になると半期ごとの試験だったりするので、ノートをいかに効率よく集めるかで成績が変わる。

そして、社会人になると、自分にインプットした量で勝敗が決する学生時代とは違い、いかにアウトプットを出すかで稼ぎ具合が決まる。

人のものを借りてきて、アウトプットする仕組みを作ってもいいわけで、実はこのパラダイムシフトは凄まじいものがある。

全くやり方がかわるのだが、社会人になっても、インプットが仕事だと思っているサラリーマンは少なくない。

さて話がそれたが、大学の授業で良い成績をとるならば、良いノートと良い過去問の答えが必須。

そして、まじめな友人。これが鉄則であることは、ほぼどこの大学生にも周知の事実。

社会に出てもこれは変わらない。効率よく、ポイントを押さえて行く。これで、仕事のスピードが上がり、次の仕事が出来る。みたいな感じで。

話がそれたが、とりあえず10時間デニーズで勉強し、外に出て食事を取る。

落とす金は10時間でたったの320円。ここで徹夜を計画している場合はジョナサンに場所を移し、朝まで勉強。そのまま学校に出撃。テストを受ける。

学校から戻ると、シャワーを浴びてかばんの中身を入れ替えたら再びデニーズへ。そして、ジョナサンへ。

この無限ループでテスト期間が終わる。身も心もぼろぼろになるが、すべての試験が終わったときの開放感は、大空に羽ばたく鳥のごとし。

試験期間中には、友達だったはずの奴が挨拶もしなくなったりするが、そんなことも許せる心持ち。

卒業したら一生関わらない人間だとお互いに知っているから。そんなドライな人間関係を楽しみながら、疲れ果てるのが大学という場所であります。

以上


この記事を書いた人
りーぶら
りーぶら30代、都内在住、男性。

大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」

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