エルサレムとユダヤ教徒⑥

2018年1月20日世界史の窓

第二次世界大戦の時代、ヒトラーがユダヤ人の排斥を打ち出し、人々の支持を集めた。

現代のドイツはヒトラー1人を極悪人のように仕立てているが、ヒトラーは革命を起こしたわけでも、暴力で政権をとったわけでもない。民主的な選挙によって選ばれたのである。

ではなぜドイツ人がユダヤ人の排斥を訴えるヒトラーを支持したのか。簡単である、反ユダヤの思想が広くヨーロッパに根ざしていたからである。

その思想とは、高利貸しで稼ぎ、自分たちの生活を苦しめるユダヤ人への反感から生まれてきたものである。ヨーロッパ人自らがユダヤ人の排斥に務めたことによって、ユダヤ人が高利貸にならざるを得なかった事情も知らず、ユダヤ人を更に排斥したのである。

そして、ヒトラーの時代に大虐殺が起こった。

この時代に、イギリスは3枚舌外交を展開した。アラブには自治権を認め、中仏露による中東分割を認め、ユダヤ人によるイスラエル建国を認めた。

これが現代に至るイスラエルの闘争の始まりとなった。

続く


この記事を書いた人
りーぶら
りーぶら30代、都内在住、男性。

大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」

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