間接統治の管理術 〜 お兄さんポジションの確立〜
イギリスはインドから今でも尊敬され、慕われている国である。
1800年代ごろより、インドはイギリスに植民地として支配され、多くの人々が強制労働させられたり、自由を奪われたりしたにも関わらずである。
その理由はイギリスの巧妙なインド統治の方法にある。イギリスはインドを間接統治した。どういうことかというと、自国の人員が直接乗り込んで、直接統治機構に君臨するのではなく、イギリスが設立した東インド会社などを使いつつ、現地の藩王達を利用したのである。
つまり、ざっくり言えば、イギリス→藩王→インド人、という構図であり、インド人を直接統治したのはインド人なのである。
よって、イギリスから課される苛烈な税金などは、藩王に指示が下り、藩王はインド人に指示した。インド人の反感は藩王やその部下たちに向き、実際に統治したイギリス人は反感を買いづらい状況が続いたのである。
これは会社同士の関係、会社内の上司部下にも全く同じ方法を当てはめることが出来る。
つまり、親会社が子会社に指示を出し、孫会社を間接統治すれば、どんなに苛烈な指示であれ孫会社の反感は子会社に向かう。
また、部長が課長に苛烈な指示を出しつつも、担当者にはいい顔をすれば、部長は常にいいお兄さんとなる。
こういった人間、組織関係はどういうシチュエーションでも応用可能である。間接統治の手法はサラリーマンとしていきていく上で、絶対に身につけるべき手法の一つである。
ちなみに、絶対に高いレベルでコントロールが必要な人や案件がある場合、間接統治に頼って責任逃れをしてはならない。そういう場合は、必ず自ら乗り出して、問題解決、プロジェクト推進すべきである。
間接統治が可能な時というのは、中間にいる人がある程度、自分の指示を受け止めて下に落とせる場合にのみ、有効なのである。
以上
大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」
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