デリー、バラナシ、アグラ、ジャイプールの旅 ~インドの旅はカレーの香り~③
2日目:デリー観光
本日の行程は以下の通り。
世界遺産ラール・キラー(外観)。オールドデリー巡り。
世界遺産フマユーン廟、インド門、大統領官邸へ。昼食後、世界遺産クトゥブ・ミナールを見学。デリー泊: The Leela Palace
朝、ホテルで飯を食う。バイキング形式だったが、朝からカレーが出てくるあたりがインドらしく、カレー好きにとってはたまらない朝食。会場に向かうと、バラの素晴らしい香りがロビーに漂っている。ドアを開けてくれるドアボーイから強烈なスパイスの香りもする。朝食会場は花が咲き誇る庭園を臨む豪華な場所だった。
ラールキラー観光(外観)
ムガル帝国時代の要塞で、通称赤い城と呼ばれている場所である。
毎年8月15日の独立記念日になると、首相が演説をする為、日本人でも見たことがある、という人が多いのではないだろうか。
フマユーン廟にて
インド、というと仏陀生誕の地でもあり、仏教国というイメージが強いが、実際はヒンズー教徒の国である。そして、フマユーン廟のような玉ねぎ型のドームがついている建物は、1500~1850年くらいまでインドを支配していたイスラム系のムガール帝国に建てられたものである。
いろんな宗教が入り乱れているが、インドの宗教の歴史をめちゃくちゃざっくりまとめると以下の通り。
BC15~BC5世紀:ヴェーダ信仰(自然崇拝が基本。ガンジス河が聖なる河。)
~BC5世紀:バラモン教(自然崇拝が基本で、バラモンをTopとする身分制と結びつく宗教)。
BC5世紀~:仏教(神様じゃなく、身分じゃなく、煩悩を取り払って解脱しようぜ、という宗教)
BC3世紀~:ヒンズー教(バラモン教、ヴェーダ信仰ベースに仏教とか混ざる。カースト制度が前提)。
AD16世紀~:イスラム教(唯一神アッラーの下ですべての人は平等)
現在:国教はないがヒンズー教徒が8割を占める。
こういう流れの中で、AD16世紀あたりから、玉ねぎ型の建物が建てられ始めて、タージマハルとか含めて今のインドの象徴となっている。。。が、国民の8割はヒンズー教徒、という不思議な状況なのである。
そもそも、多くの国で世界遺産になっている建物は、ピラミッドもそうだが王様の墓というケースが多い。ヒンズー教徒の場合、遺灰をガンジス川に流すのが幸せな事なので、偉い人も墓を作らない。なので、ヒンズー教としての大きな建物が無い一方、途中からインドを支配したイスラム教の墓がインドの象徴的な建物として残っている、というわけである。
さて、話をフマユーン廟に戻す。この日の気温は40度を超えていて、脱水症状になりそうだったが、大理石でできた建物の中は涼しく快適そのものだった。
ガイド曰く、フマユーン廟はムガール帝国の第二代皇帝が死んじゃったので、お妃様がその死を悲しんで建てたそうな。そして、この建物がタージマハルに絶大な影響を与えたと言われている、とのこと。
クトゥブ・ミナールへ
昼食をとった後、クトゥブ・ミナールを訪れた。
まあ、歴史の素人が見れば、太いち×こにしか見えないだろうが、私にも太いち×こ、というかドリルち×ち×、にしか見えなかった。
北インドを制圧したイスラム教徒が、勝利をお祝いして建てた塔。塔は塔なので、ふーん、しかしあちーなーという感じで見ていた。ここで興奮しないのは、インドの歴史が複雑すぎて、今一つ心に入ってきていないからかもしれない。
ここで興味深かったのはモスクの中庭にあった黒いち×ち×。
ではなくて鉄柱。いわゆるデリーの鉄柱(チャンドラヴァルマンの鉄柱)と呼ばれているそうで、4世紀に鍛造されたもの。
ガイド曰く、雨ざらしにもかかわらずほとんど錆びていないのは、100%に近い高い純度だからとのこと。純度が高いからさびない、というのは嘘だろう、鍛造方法と特定の不純物が影響しているのでは?と思ったが、それがなぜ嘘かガイドと議論するほど、快適な気温ではなかった為、とりあえずスルーした。
そして、ガイド曰く、柱を背に腕をまわして、両手が組めたら幸せになれる、と。いやいや、絶対無理だろ・・・と思いつつ、外が暑すぎて、反論する気にもならなかった。
その後、誰かの墓に連れていかれたが、暑さで朦朧としつつあり、今一つ思い出せない。
ぼったくり洋服店にて
そして、ガイドに洋服屋とマッサージ屋がある場所に連れていかれた。暑さにくじけそうになっていたので、マッサージでも行くか、と思っていたが、店内が汚すぎて、マッサージを受ける気にならず、洋服屋に行った。
ここで、インドの服を勧められた。素晴らしい生地、との説明に騙されてあえなく8000円も払って二着を購入した。
この店に連れて行ったガイドが後に告白したが、客が店で買い物すると、15%がバックマージンとして入ってくるとの事。インドのガイドはほぼ100%こういう店連れてったらバックマージン貰っていると。そうじゃないとガイドなんてやってられない、と。
そのマージンくらいのチップやるから、そんな店に連れて行かないでくれ!と思ったが、買ってしまったものは仕方がない。この服(真っ青なクルタパジャマ)を着てしばらく過ごすことにした。
階段井戸、アグラーセン・キ・バオリ
市内に戻ると、ガイドが井戸見るか?と聞いてきた。なんていうところ?と聞くと、×××バオリ、と言っている。日本語の説明は聞き取れるのだが、建物名をはなすときだけ、流ちょうなヒンズー語になるので、全然聞き取れない。
とりあえず、よくわからないが、あまり観光スポットとして有名でないらしい。階段井戸というのは見たことがないので行ってみた。
井戸の底へ近づくと、どんどん温度が下がっていく
中はひんやりしているが、微妙にハエみたいなのも飛び交っていて奥に入るのがちょっと怖い。後ろからどんっと押されたらどうしよう・・・と思うと腰が引ける。
井戸の底から空を見上げてみるとこんな感じ
ここは涼しいし、観光地観光地していないし、興味深くて非常にお勧めのスポットと言える。
シク教の寺院、バングラサーヒブへ
このあたりからもはやガイドが知ってるところ全部行くぞ、的なノリになっていた。個人の貸し切りツアーなので、機動力は抜群でどこでも連れて行ってくれる。
インド人、というと髭にターバンのイメージだが、そのイメージの源はシク教徒にある。シク教徒でプロレスラーのタイガージェットシンが活躍した事も有り、日本におけるインド人のイメージは髭にターバンとなったのだろう。
シク教とはインド人の2-3%ぐらい(3000万人)が信仰している宗教で、16世紀ごろに詩人のグル・ナーナクが始めたもの。ヒンズー教は多神教だが、それに反論して神様は1つ、だけど人ではなく唯一のもの。偶像崇拝もしない!というテンションの宗教らしい。
確かに寺院の中には偶像が無い。以下の写真は寺院の中の壁を撮ったものだが、大理石に彫り込まれた彫刻がまことに美しいさまを見せていた。
寺院の中に入る時には靴を脱ぎ、頭にターバンを巻く。大理石の床がひんやりと気持ちよく、床に寝そべりたくなる。そして、寺院の中は聖なる音楽が流れており、寺院の中心に設置された経典?に向かって人々が祈りをささげていた。
建物の外には池。聖なる池らしく、病気が治癒するらしい。
池の中には鯉が泳いでおり、その横を子供が泳ぎ、更にその横でおっさんがじゃぶじゃぶ沐浴して、口をゆすいでいた。
恐らく、この池に浸かったら病気になる、と確信したため、指先でちょっと触れるにとどめた。
大統領官邸からインド門へ
更に観光をつづけた。徐々に日が落ちてきて、ようやく温度が30度台に下がってきた。
大統領官邸前の大通り。
大統領官邸・・たぶん。
そしてチャイ
ガイドがチャイ飲もう、チャイ飲もう、とずーっと言ってくるので、わかったわかった、と伝えて連れていかれたのは、土産屋だった。
甘いチャイを飲む。結構うまい。そして、そのチャイのティーパックをひとしきり勧められた。店のおやじは日本語がめちゃくちゃ流ちょうで、芸能人と一緒に写った写真を一杯出してくる。どうやら有名な店らしい。
何せ、香木、という単語を知っていた。相手がKouboku、と言ってきたとき、ヒンズー語かと思ったら、香木だった。そして、おずおずと桐の箱に入った麝香を出してきた。
これはほしい・・・しかも素晴らしい香り・・・さすがインド・・・いくら?と聞いたら3万円と。
確かに日本ではとても買えない値段で売られているので、3万は安い。だが、そんなに金払う気にもならない。しかし、チャイ飲んでタダで出るのも忍びない。
という訳で、インドで有名なニームの歯磨き粉を買った。後で使ってみたが、口の中に清涼感が広がり、その清涼感が持続する為、非常に気持ちがいい。
歯ざわり、舌触りとしては、歯槽膿漏対策の生葉に近い、やわらかさ。感覚としては入れ歯を歯茎に接合する時のクリームっぽい。
歯を磨くと、口の中全体に清涼感が広がる。ちょっと高いがアマゾンでも買えるようなので、興味ある方は買ってみると良い。
2日目終了
ここで全ての観光が終了。9時~18時まで動き続けたが、個人手配でなければ、これほど濃縮した観光コースを巡るのは無理だろう。凄まじく疲労したが、実に充実した、濃い一日だった。
そして夜飯でカレーを食って、Leela Palaceのバーで再び飲んで就寝。
大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」
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