妊娠している時の日記は、生まれる子供への掛け替えのない贈り物
おっさんになった今、小さいころの事を思い出そうとしても、思い出せるのはせいぜい5歳くらいのことで、それ以上前は記憶が全くない。
とある日、実家に戻った時、どんな感じだったのかと思いながらパラパラとアルバムを見ていたところ、母子手帳が見つかった。
こんなおじさんになってから初めて母子手帳を見た。
そこには、妊娠がわかってから、10か月くらいの間、母親の身の回りで起こった事や感じた事がつづられていた。
×月×日 妊娠がわかった、とてもうれしくて、うれしくて。でも、子供を産むことへの不安が大きい。。。
×月×日 つわりがひどい。吐いても吐いても吐き気がこみ上げてくる。こどもに栄養をあげねば、と思いながら食べてみたけど、またはいてしまい罪悪感を感じる。。。
×月×日 コーラが飲みたい。つわりはひどいけど、コーラが兎に角飲みたくて仕方なくて、今日は5本もコーラを飲んでしまった。
×月×日 今日は検査に行った。順調に育っていますとお医者さんに言われて安心した。早く子供に会いたい。
×月×日 肌荒れがひどくなってきた。ビタミンが足りてないのかもしれないけど薬は飲めない。食事ものどを通らないし、子供の事が心配。
×月×日 だんだんお腹が大きくなってきた。検査で順調に育っていると聞いて一安心。
×月×日 いよいよお腹が大きくて動くのも一苦労。お腹を蹴ったりすることもある。元気に育ってくれていてうれしい。毎日が変化の連続で不安もあるけど、順調に成長していってくれている事が幸せ。
×月×日 また今日もコーラを沢山飲んでしまった。今日は過去最高の7本。罪悪感。。。
×月×日 いよいよ出産が近づいてきた。出産への不安と喜びが混じっているけど、今は不安のほうが大きい。。
なんてことが書かれていた。
歳をとって読むと、母親がこのように日々感じていて、自分が母親のおなかの中にいたのだ、という事を思うと、改めて母親がいかに毎日、子供のことを思って生きていたのかを感じる。
自分が小さいころにはわからなかった人間関係や、仕事の大変さや、お金の苦労など、色々な事をわかって読むと、一言一言に想像力が働き、読んでは手を止め、またページをめくっては止まり、の繰り返しだった。
親は老人になると子供になり、子供は大人になると親になる。
by孔子風
子供が大人になり、親になった時、子供になった親が、どれほどに大人で親だったのか、母子手帳に刻まれた文字から強く伝わってくる。
30超えたおじさんにとって、掛け替えのない宝物になりそうです。
以上
大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」
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