大企業は雰囲気で醸す人が評価されるという事実

2019年4月16日処世術

最近大企業で出世していく人間を見るにつけ、その出世のカラクリが実にシンプルなものだと感じる。まず何よりも、上司の言うことをハイハイと言って従う。イエスマンであること。

創造性とか剛腕とかあまり関係なく、兎に角大過なく、そつなく、トラブルが起きないように、上司の気を悪くしないように、目立たないように粛々と与えられた仕事をこなしていく。これによって100点中90点くらいとれる仕組みになっている。

考えてみれば、大企業はそもそも企業としての体力があり、知名度なども一定程度確保されているので、一社員が一生懸命頑張るよりも、名前で持ち込まれてくる案件を処理していくほうがよほど効率がよく確実性も高い。

下手にアクションを起こして失敗するより、持ち込まれ案件を着実にさばくほうがロスが少なく、手間も少ない。

実に夢も希望もない話だが、多くの大企業でこのような状況になっているのを目の当たりにしてきた。特に、規模が大きいほどにこの傾向は強く、新たな社会問題に挑戦して解決している人よりも、公務員のごとく問題を起こさず処理するタイプのサラリーマンが静かに出世していく。

また、会議などでさも深く考えている風に、会議の最後のほうでもっともらしい発言や、その場の人たちを煙に巻くような言葉を置いていくことで、謎の存在感を発揮している人が評価されがちである。

雰囲気で勝負する大人たち

これまたあほみたいな話だが、会議で最後のほうに発言して、何やら全体の流れをわかっている風に、何となくまとめにかかるやつらがいる。その人々はまさにプロサラリーマンなわけだが、それとなく周囲にアピールして場を去る傾向が強い。

本質的な付加価値を何ら場に提供していないので、見ているこちらとしては実に実力のない人間と思ってしまうが、それが読み取れない人間からすると何となくわかっている人、何となく仕事する人と見えてしまう。

例えば、ある日会議に出たときに、このような発言をした人がいた。「サプライチェーンにおける距離は距離であって距離でなく、時間の概念が従来とは違う形に変わってきている。前提が変わる中で、同じインプットでも異なるアウトプットになりうるという本質を感じながら物事をとらえる必要性がさらに増してくる」

私はこの人がそれっぽい雰囲気を醸すことによって、深く考えている人物というレッテルを自分に張ってもらう術を使う人間と良く知っていたので、この発言を聞いたとき、まさにプロサラリーマンの塊のような発言と思ったものだが、周辺の人間はまるで狐につままれたような顔で関心して聞いていた。

上述の発言ははっきり言って何も具体的なことを述べておらず、so whatでしかないのだが、さも考えている風なので相手はひるむ。ここで自分が経験したことがないような事例を挙げられて、これがその事例、と言われれば相手は更に関心して、その人間には相当に奥深い世界が広がっており、何か見知らぬ力を備えているのでは、と思うものである。

本当に求められる力と醸す雰囲気の本質的な違い

このような雰囲気を醸している人たちは周囲より何やら力がありそうな目で見られることによってポジションを高めていくが、実は仕事人として本質的に求められる力がある。

それはズバリ課題を見出す力であり、その課題を解決する能力である。この能力は世界どこに行っても共通の力であり、ビジネスだろうとプライベートだろうと関係なく必要な力である。

私が、この雰囲気を醸す人物が偉くなっていく姿を見て信じられないと思ってしまうのは、課題を解決する能力が大してすごくなく、醸しているだけにしか思えないからである。確かに常人に比べると圧倒的に課題解決力は高い。それはもう、一般サラリーマンが5人束になっても勝てないレベル感ではある。だが、対価を10人束になるくらいもらっていながら、この解決力はちょっと物足りない、というレベルの話である。

まあ結局のところ、醸してポジションつかみ取ったもの勝ちのところが多分にあり、課題解決力がポジションに直結しないケースは多々ある。

いずれにせよ、サラリーマンが偉くなるには、醸す力を身に着けることであり、それを身に着けるには、サラリーマンとしての実践の場で、爺殺ししながら醸すということを繰り返していくしか他にないと考える次第であり、そんな人生は実につまらない、とも思ってしまう今日この頃である。

以上


この記事を書いた人
りーぶら
りーぶら30代、都内在住、男性。

大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」

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