~現代の大衆文学~ 東京カレンダーは下らないのか?

都内で働く高給サラリーマンの中には東京カレンダーを日常的に見ているという人も多いだろう。ある人は、あまりに読みすぎて時間をむしりとられるので、アプリを削除したと言っていた。

参考例:シバユカ 最終回:他人の幸せを妬む女たちへ。私がセレブ婚を手に入れた、たった1つの理由

東京カレンダーはなぜ人気なのか

東京カレンダーが取り上げているのは、都内に住む20ー45歳くらいまでの、高年収な人たちの人生ストーリーである。

いずれもストーリーが実際にある日常を描いており、グッと読まされる印象がある。ただ日常生活を書くだけだと、どこにでもある日常生活を描くだけになるのだが、東京カレンダーは登場人物の似通ったバックグラウンドをベースに、それらの人々の心情を文字にしている部分が最大の魅力なのだと思う。

魅力、と書いたが、文章のストーリー自体ははっきり言って、レベルが低い。どういう意味でレベルが低いかというと、他人に対する、ねたみ、嫉み、マウンティングしたいという、浅ましい心から生まれる心情をストーリーにしているからである。

ある意味それらの感情は人間の本質的な部分である為、読み手は自分が日々感じることと通ずる部分があって、思わず読んでしまう。それが東京カレンダーの魅力である。

一方、それらの文章をいくら読んでも何も未来はひらけてこない。

なぜならば、妬みやそねみは、狭い世界の中で自分と他人を比較し、その枠にとらわれているに他ならず、そんな感情を自分と似通った他人のストーリーとして落とし込んだ様な文章を見ているだけでは、なんの進歩もなく、永遠にその枠の中に留まるだけだからである。

狭い視野とは例えばどのようなストーリーか

一時代の狭い社会における枠にとらわれている、とはどういうことか。例えば、リンクを張ったシバユカのストーリーでは、「慶應大学卒の学歴を有していながら、大手不動産会社の役員秘書に甘んじている“シバユカ”。」という書き出しから始まる。

この文章には、学歴があるとより複雑で高給で価値ある仕事をさせてもらえて当たり前、大会社の役員秘書は「女性のやる割と付加価値の低い仕事」、という前提がある。そして、それにもどかしさを感じて当然、という認識を持ってるよね?と問いかけてくるようにして文章が始まっている。

こういう押し付け気味な価値観がいきなり冒頭に来るので、何となく共感できるかも・・・と思う一方、何決めつけてるんだウザいな、と思いつつ、くだらない、と感じるのである。

そして、後のストーリーにおいても、結婚が絶対的ゴール且つ勝ち組という価値観、金持ちや高学歴だから勝った、などという価値観も、浅はかさや視野の狭さ、がにじみ出ているのである。

また、例えばこんな文章もある。

「たまたまタイムラインに流れてきた、見知らぬ量産型女子のプロポーズ報告。」

情景が想像できるだけに、言いたいことは良く伝わってくるものの、きっとこれを見てイライラしているであろう当人の浅はかなマウンティング精神が透けて見えて、くだらないと感じてしまう。

そしてまた、人の心に眠る妬み、嫉み、の心が全く理解できないわけではなく、どこか理解できる部分もあるがゆえに、その心を持つ自らの心根の浅さや、人間的不成熟感を再認識させられて、胸の奥をかきむしられるようないら立ちを覚えてしまうものである。

【まとめ】東京カレンダーの歴史的位置づけ

下らない、浅はか、などと書いてきたものの、東京カレンダーは間違いなく一時代の狭いコミュニティーに住む人たちの心情をとらえている。その心情を共有しながら展開される文章は、現代の町人文化の粋を極めていると言っても過言ではなく、500年後には平成時代の価値観をとらえた代表的なインターネット文学、と言われるようになるであろう。

以上

興味があればこちらもどうぞ『【実はブス?】本to美女のビジネスモデル分析【東京カレンダーと類似?】』


この記事を書いた人
りーぶら
りーぶら30代、都内在住、男性。

大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」

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