衆愚報道と日本の民主主義の未来

2018年2月17日日本の論点

学園シリーズ(モリカケ問題)、文週砲と言われる一連の不倫報道、大相撲の暴行問題など、どうしようもない情報が世の中をにぎわしている。

また、改憲=戦争、カジノ=犯罪・堕落、などの短絡的な批判報道が日常的にみられる。

だが、これらの報道(私は「衆愚報道」と名付けている)を一体だれが求めているのだろうか?こんな情報を発信したり、受け取ったりしても世の中はよくならない。

しかし、衆愚報道を受けて喜んでしまう大衆がいるからメディアは喜んで発信しているのだろう。

私は、このような衆愚報道が広がっている理由の1つに、ネットの普及が挙げられると思う。ネット社会において、若い世代の多くは、ニュースをスマホで見て、テレビは気が向いたらAbema TV等を見ている。

ある日、とある若い人と話していて驚いたが、長い文章を読めないのだという。スマホの画面1ページか2ページに収まるくらいの文章でないと、読み切れないし、寧ろ結論が導入画像でわかるくらいでないと、頭が疲れて辛いのだという。

このような人々は勿論、本を読む知的体力はないし、読むと言えば、スマホ用に加工され、内容が恣意的かつ一面的に編集されたニュースを見るだけである。

つまり、モリカケ問題の中身や法的問題の有無などを検証したり、考える素地すらなく、メディアが何となく悪いぞ~問題だぞ~と言っていれば、悪いんだと思うだけなのである。

そして、雰囲気に流されて希望の党に票を投げ入れてみたり、改憲に反対してみたりするのである。もはや日本において、衆愚政治は極まっていると言っていい。

しかし、元々1億2000万人も人口がいる中で、一定の知的レベルを等しく求めるのが無理筋なのかもしれない。更に、新聞も読まず、ニュースも見ず、携帯でゲームをやっている人に、高度な知的レベルと実際の経験に基づいた判断基準が必要な、政治的な行為を求めるのが無理な話なのである。

にもかかわらず、日本では一定の年齢を超えたすべての人が選挙権を有する民主主義が採用されている。政治家や政党は、民衆に評価されなければ票を集める事が出来ない。政治的な良しあしを判断できない人が、判断する人達を選ぶ、という仕組みは異常と言わざるを得ないだろう。

では、どうすればこの状況を改善できるだろうか。日本の今の間接民主主義を残しながら仕組みを変えるパターンと、間接民主主義そのものへの対案としては以下のような手が考え得るだろう。

■対案
【間接民主制】
・適切な判断を出来る人(政治家)を選べる人に選挙権を限定する
・誰が政治家を選んでも、適切な判断を出来る人が通る仕組みを作る

【改・直接民主制】
・適切な判断をできる人だけが個別の法案作成、決議に参加できる仕組みを作る
(これはAIの技術をフル活用すれば、最適な人の選定等出来る可能性がある)

【改・独裁制】
・全権を1人、若しくは一部の組織に委ねる
(ただし、これらの人々が暴走しないような監督権とAIによる監視システムが前提)

恐らく、よりAIの技術が進めば、【改・直接民主制】が導入されていくだろう。特に、既に直接民主制が導入されており、人口が少なく、ITのレベルも高い、スイスなどの国々が、この分野で世界をリードしていくものと推測される。

また、人口規模が大きく【改・直接民主制】がなじまないインドやアメリカなどの大国では、AIの力が極限まで発展する事を前提として、【改・独裁制】に近い政治体制が進んでいくのではないかと想像する。

いずれにせよ、ポイントはAI技術の進歩だろう。機械に倫理はないが、経済合理性の面では圧倒的に人間を凌駕する。例えば、カジノを作るべきかどうか、という議論が出てきたとき、ギャンブラーが増えて恐いから嫌、などという超感情的で無意味な議論はなくなる。カジノを導入した場合の経済含むメリットとデメリットを羅列し、デメリットをつぶしていく手段を提示してくる事だろう。

色々と話がそれたが、冒頭のテーマに戻ると、私が今の偏向報道に対して違和感を感じるのは、人のうわさ話など、将来の日本に何の役にも立たない事ばかりに目を向けさせて、知的水準が低い層のレベルを一層下げようとしているからである。また、改憲など、リスクの大きさばかりを書き立てているが、メリット・デメリットを整理して、デメリットをどれだけ解消して結果を出し、よりよい未来を創っていくか、という観点がないからである。

会社が利益を出して、組織を永続させねばならないように、国も収支のバランスをとって、永続できる体制を築かねばならない。

国を永続させ、良くしていく上で、直接的に政治に関われるのは政治家や官僚である。今の間接民主主義において国民はその政治家たちを選ぶ権利がある。政治家は国の未来を良くする責務があり、その責務を果たせる政治家を選び、国を良くしていく事は、全ての国民が有する権利である。と同時に、より良い未来を創っていくことは、今の日本に生きる日本人が、子供たちに対して、追っている義務なのである。

間接民主主義において、国民はこんな重責を負う仕組みになっている。よって、メディアは衆愚報道を繰り返してはならないし、国民は国を良くしていこうという気持ちをもっと強烈に持たねばならない。

誰がやっても変わらない、政治なんてよくわからない、だから自分の一票なんて意味がない、衆愚報道でも見ながら今さえ幸せならいいや、と多くの日本人が思い、投票率が低下している今こそ、【間接民主制】の改善、若しくは【改・直接民主制】【改・独裁制】の導入に向けた議論を活発にし、検討を進めていくべきではないかと思う次第である。

以上


この記事を書いた人
りーぶら
りーぶら30代、都内在住、男性。

大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」

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