保身に走る人々~革命で裏切られた思い出~
先日、小学校のころの友人と会い、二人で酒を酌み交わしながら、懐かしい話で盛り上がった。
社会人になるまで数え切れないほど、いろんなことがあったが、あまりにも多くのことを忘れている。人間は本当にたくさんのものを、しまっておけるものだ。
昔の記憶や、体験は、その過ごしてきた時間のわりに、ほとんど思い出すことが出来ない。ただ、友達と話していて、強く思ったことがある。それは、歌が記憶をあぶりだすということだ。
友達と話していて、歌の話になった。小学校のころに歌った歌。曲名をひとつ、またひとつと思い出すたびに、記憶がよみがえる。
とーもだちーになるーためにー、ひーとはーであうーんだよ。。。
とか、
人はただー風の中をー迷いながらあるきつづけるー
など。これらの歌の名前を思い出し、メロディーを聴くたびにたくさんの記憶がよみがえった。そのうちの一つを紹介しよう。。。
小学六年生のとき、はだしの駆け足という地獄のような訓練があった。
毎週二回くらいあった。俺は親友と友人数名に呼びかけ、決起を試みた。男子はみんな乗り気で、「伝統なんてぶっつぶせ!」と言っていた。
俺が、ホームルームの時間にはだしの駆け足廃止動議を提出すると、クラスの全員が、廃止に賛成した。
と、そこでクラスの担任M先生が言った。
あなたたちはそれでいいのか!この小学校の伝統をここで終わらせてもいいのか!
この言葉に、M先生の親衛隊の女子数名と、男子の親衛隊一人が釣られた。血気盛んな俺は、M先生に必死に反論し、全員に廃止を訴えた。これは結構効果があり、賛成と反対は拮抗した。
そして、持久戦になった。先生は、生徒同士に話し合わせるというスタイルをとり、その話し合いの論理の矛盾点をついて、各グループを撃破するという作戦を取った。そして、先生がもう一度発言した。
本当にそれでいいのか!伝統を守らねばならないのではないか!
俺は男子に呼びかけた!
悪い伝統はここで終わりだ!今日この場所で新しい時代が始まる!
そして、先生は全員に手を上げさせた。
結果は俺と、俺の親友一人を除いて、全員先生派についた。最初あれだけ乗り気だった男たちは、口で熱いことを語っていた男たちは、全員保身に走った。
俺たち二人は哀れな反乱軍だった。後日、俺たちが体制に楯突いた報いを受けたことは言うまでもない。
俺と酒を飲みながら、懐かしい話で盛り上がった男・・・そう、そのひとこそ、最後まで見方でいてくれた彼なんです。
というわけで、サラリーマンとして生きるのに向いているかどうかは、ちっちゃい頃にわかるもんです。
以上

大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」
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