デリー、バラナシ、アグラ、ジャイプールの旅 ~インドの旅はカレーの香り~⑦

6日目、ジャイプールにて

ちょっと場所がわからなくなってきたかもしれないので、地図でおさらい。

ジャイプール郊外の丘に建つ世界遺産アンベール城

朝9時ごろにホテルを出て近場にあるアンベール城へと向かった。まだ朝なので爽やかな風が吹き抜けていき、明るいものの日差しも焼けつくほどではない。木がぽつぽつと点在し荒涼とした大地が多いが、アンベール城が建っている丘は緑に包まれており、周囲を川が取り囲んでいる事も有って、どこか涼やかな感じがした。

城に上がる際、ガイドが、じょーさんじょーさんと繰り返し言っているので、何のことかと思ったら、どうやら象に乗るらしい。

日本人観光客などが殺到する為、1時間待ちはザラとの事だったが、朝早くいったので誰もいなかった。待ち時間ゼロで象に乗り込み出発。

しかし、象の背骨の上に籠が乗っているので、象が左右に歩を進めるたびに、左右に振れて、実に乗り心地が悪い。しかも、もしこの籠が外れて下に落ちたら大ダメージは避けられないな・・・なんて思ってみると、あまり安心して乗れるものでもなかった。

象使いが、「うぅー、うぇぃうぇぃ、しゅっ、まるっまるっ!!!」と繰り返していたので、後でガイドに聞いてみたところ、まるっ!というのは、日本語で言うところの、めっ!に相当し、子供をたしなめあやすようなときに使う言葉らしかった。

まるっまるっ!!という言葉が響く中、象が徐々に丘を登っていく。眼下に広がる景色は素晴らしく、象の背中に乗っている為、一層高さが際立って、アトラクションとしては実によいものだった。

という訳で城内に案内され、色々説明してくれた。

先ずはガネーシャ門。世界一美しい門と言われるだけあって装飾が素晴らしい。そして細かい穴が開いた窓には風が通り、中の人が快適に過ごせるらしい。門の前の広場で、王子様か誰かがあって、それをこの門の穴からどうのこうの・・・という話を聞いていたが、だんだん暑くて朦朧としてきた。

ユンケルが飲みたい。。。

いろんな部屋に通されて、一面鏡がはめ込んである広場は、ろうそくの炎の光を増幅させて夜中にキラキラ輝いた、とか、王様がこっそり逃げる事が出来る通路がどこかにある、とか色々聞いた。

暑くて朦朧としている中、最も記憶に残っているのは、10人以上いる側室のところに王様が通うとき、みんなに見られないようなルートを使える設計になっている・・・と。

いや、そんな真顔で説明してくれているが、一人の色欲に塗れた男が、全身を固くしてコソコソと走り回る施設に莫大な金かけてるなんて、もはやギャグじゃないかと思ってしまった。

カースト制度があって、いろんな病気とかが流行ったり、飢饉で人が死んだりしていたわけだが、王様は人に見られないルートづくりにいそしむ・・・いやはや、人間の性とはどこの国に行っても何ら本質的に変わりないものと恐れ入った次第。

その後、ジャイプール市内観光 (風の宮殿、シティ・パレス、世界遺産ジャンタル・マンタル)。

湖に浮かぶ城を見て、オー綺麗!と思って近づいたら、湖のほとりはゴミだらけ。もうなんかやる気なくしてその場を離れた。

そういえば、インドにはそこかしこにゴミが捨ててある。兎に角その辺にゴミを捨てるのが当たり前らしいが、実は戦後の日本も全く同じ状況だったのである。日本人はお天道様が見てるので綺麗好きな国民性・・・なんて説明がまことしやかにされるが、実態は全く別で、皆ぽいぽいゴミを捨てていたのである。

そんなゴミ捨て場をあさっているのが豚たち。野生の豚がゴミを食べつくしている。そして、日本に来たことがあるというガイドが、とんかつを食べろと言われた時、小さいころから見てきた豚はゴミをあさる生き物だったので、汚くてとても食べたくないと思った。だが、食ってしびれる程に感動した。やはりどう育てられるか、で味が変わり、生き物そのものも変わるのだと思った、と。

この話を聞いて、育てられ方によって変わるのは豚だけでなく、ゴミを捨てなくなった日本人のように、人も変わるものだな、本質的に人間は変わらない、しかし教育や環境によって変わるものだな、とぼんやりと思っていた。

続いて古代の天文台、ジャンタルマンタルへ

太陽の角度を以下の装置で計測し、日にちや時間を正確に割り出すものなどである。18世紀頃に出来たものだが、時間などは秒単位で測れる凄さとの事。しかし、サイズがでかすぎて、何の機能を果たすのか、今一つわからないものが多く、ガイドの説明にはあやふやさが残った。

続いてジャイプール市内の市場へ。。。シャツなどを買ったが、150-500円のレンジで何でもそろう激安ぶり。デザインも色々あって面白い。ここはお土産物をあさるには最適の場所だろう。

そしてTaj Rambagh Palaceへ

高いお金を払っていたし、ホテル滞在そのものを楽しもう、と思い13時頃にはガイドに酒飲ませた上でリリースして、我々はホテルへ。

ロビーの噴水の音、きんもくせい?の香りなど、どれも相変わらず素晴らしい。さすがは王宮ホテルと言われるだけある。

ホテルで過ごす、と言っても、部屋で寝るわけでなくホテルを色々とめぐって堪能してみたい。そう思ってうろついてみたところ、クラシックカーが何台かおいてあり、そのうちの一台に載せてくれるとのこと。

1930年ごろに作られた車との事で、強くひいたらドアノブが壊れるんじゃないか、というくらいに古い。乗り込むとソファーがぎしっと沈み込み、スプリングがどこに置かれているかがしっかりと尻を通じて伝わってくるほど。

エンジンをかけると、ぶるっと車体が大きく揺れて、このまま爆発するんじゃないか、と思うほど。現代の車に乗っていると、エンジンが内燃機関であることを忘れてしまうが、この車は確かに、ガソリンを噴射して、それに点火して、爆発力をエネルギーに変えている事が体感出来た。

 

 

そして、邸内にある列車を見ながら「あれはレストランとバー」と解説されつつ走っていった。

 

 

と、目を疑った。クジャクが二匹歩いている。よく見てみると園内にクジャクがそこかしこにいる。

遠くでは羽をマックスに広げたクジャクがいる。羽を広げるクジャクの姿を見たのは生まれて初めてだった。なんか、ふわーーーーという感じで開くイメージ。

 

 

 

こんな感じで邸内ドライブ終了。中庭を通って部屋に戻る。

相変わらず豪勢な部屋だと思いつつしばし休む。

 

そしてスパでマッサージを受けた。2万円/人くらいだったが、とりあえず爆睡したので良かったかどうかは思い出せない。

 

夜はランバーグパレス内のレストランで食事する事にした。庭にテーブルが設置されており、食事をしていたら踊りが始まった。

1分間に120回くらい回る踊りは圧巻。相変わらずうまいカレーを食って、踊りを楽しんだ。

 

どうやら、王様たちは夜な夜なこうして踊り子を読んで、酒を飲みながら飯を食って楽しんでいたらしい。マハラジャ実に羨ましい。しかし、この王宮の中のところどころに写真が貼られていたが、その写真を見ると中央部にイギリス人が数名座っている。

 

どうやら、イギリス人はインド統治時代、マハラジャたちの上に君臨し、このような王宮での接遇を受け、正に王侯のようなくらしをしていたようである。遠い北半球の島からやってきて、この広大な地と膨大な人民を支配し、君臨していたと歴史上の事実として知ってはいた。

しかし実際にインドに来て、大陸の広大さや人のエネルギーにふれ、混とんとした世界を見るにつけ、そして王侯の生活の一端を体験するにつけ、イギリスが如何にすさまじい力を持っていたか、他国を制圧するだけの国力や優れた統治システムを持っていたか、体感せざるを得なかった。

 

そして、最後はポロクラブ、なるメインバーへ。兎に角ホテルの中にほかの客がいないので、王宮全体を貸し切りのような状態だったのだが、このバーにも誰もいない。

 

聞こえてくるのは、バーの真ん中にある噴水の音だけで、その音が実に心地よい。3杯ほど飲んでいい心地になり、部屋へと戻った。

 

随分と疲れもたまってきたが、実に心身ともに癒される一日だった、と思いつつ眠りについた。

最終話:https://wp.me/p9zb4C-rB


この記事を書いた人
りーぶら
りーぶら30代、都内在住、男性。

大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」

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