営業力って曖昧過ぎない?

2018年2月2日スキル

仕事をしていると、会話の中で××社の営業力はすごい・・・なんて聞いたりする。

しかし、営業力というのは色々なものがごちゃ混ぜになった言葉であって、会社によって営業力というのは異なる。では営業力とはそもそも何なのだろうか?

先ず会社における営業の位置づけを考えると営業力は何かが見えてくる。

大体の会社において、営業とは以下のような関係性の中にいる。

製造・開発・バックオフィス(総務、人事、広報、財務、経営企画等)・物流→営業→顧客

要は顧客とのコミュニケーションの窓口であり、社内のあらゆる部局とのコミュニケーションの窓口でもある。

学生の頃、営業というと、お客さんのところに飛び込んで、コメツキバッタのように頭を下げて、ひたすら名刺を配って汗をかく、肉体労働だと思っていた。しかし、多くの会社では上述のような関係性の中で、高いコミュニケーション力を求められる。

しかも、ただ右と左を繋ぐだけの営業だと、顧客の正確な意向が伝わってこない分邪魔になってしまうので、顧客の意向を正しく把握した上で、社内の方向性を調整していく必要がある。

それでは、営業に求められる能力とは何だろうか。顧客との接点、社内との接点、の2つに分けて論じてみたい。

先ず、顧客と営業マンが対峙する上で必要な能力は以下のような点が挙げられよう。

・顧客のキーマンを見抜き、その人物と徹底的に人的関係を築く事。
・キーマンに信頼される為、キーマンの求めるものを適切に提供できる事。
・キーマンの求めるものを把握する為に、公私にわたる情報収集に努める事。
・「公」については顧客の会社の経営課題を理解してキーマンが解決すべき課題を把握する事。
・「私」についてはキーマンの家族構成、好み、公の人間関係、等を把握する事。
・キーマンが整理できていない課題を、整理して、1つずつ課題をつぶしていく事。
・キーマンのどのような複雑なリクエストも3日以内に必ず応える事。
・その他、担当、部課長、経営陣の三層に亘りコミュニケーション出来る接点を構築する事。
・接点構築の為に、業界を誰よりも知り、マクロ経済や政治に精通し、教養を深める事。
・物理的に会う仕事なので、清潔感ある爽やかな装いとする事。
・寝ても覚めても顧客の事を考え、売上を伸ばす気持ちを忘れない事。

次に営業マンが社内とコミュニケーションする上で必要な能力は以下のような点が挙げられる。

・上述の顧客と対峙するスキルを基に、顧客のニーズを正しく把握する事。
・それを基に、ブレないリクエストを社内に発信する事。
 (顧客個人以上に顧客の会社のニーズをわかっていれば、社内は無駄な動きが減る)
・各部局と慣れあわず、プロフェッショナルに顧客のニーズを伝えきる事。
・3日以内に顧客のリクエストに応えるべく、責任をもってスケジュール管理する事。
・そして、顧客に対する販売等、全ての責任を負って行動すること。

以上、整理すると、顧客との接点について大事な事は、顧客を徹底的に把握し、信頼関係を築く事である。そして、社内との接点については、顧客のニーズを正しく把握した上で、責任をもって顧客のリクエストに応える事である。

ここまでできていれば、営業マンとしては相当にレベルが高く、営業力がある、と言えるだろう。私は実際に出来る営業マンと接してきたが、彼らは仕事に対する覚悟や意気込みが常人とは違う。

心を込めて仕事に打ち込んでいるし、私が学生の頃に抱いた、飲んで愚痴を言って、右左を繋ぐ営業マンとは全く違う、ハイレベルな営業マンだった。

そういう人たちが何をしているかというと、例えば飲んでいる最中、トイレに行って聞いた事の要点をボイスレコーダーに吹き込んだり、自分が新しい分野の会社を担当する事になったら、1か月で100冊くらいその業界の関係の本を読んだり・・・

また、BtoBの会社が顧客であれば、顧客の顧客を落とすために政治家迄動かしたり・・・。

まあ、結果を出すために何でもやる、というのが真の営業マンであって、ダムを作ろうと決めたら、どんなに大変でもダムを作る、という信念を持っている人が本当に実力のある人だろう。

上述の能力というのは、ごく表層の事なのである。

以上


この記事を書いた人
りーぶら
りーぶら30代、都内在住、男性。

大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」

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