格差社会における高年収者の対策とは

2018年4月13日資産運用, 日本の論点

戦後の日本で、拡大し続けてきた格差

先日、週刊ダイヤモンドに「氷河期世代没落で生活保護費30兆円増、衝撃の未来図」という記事が載っていた。要は氷河期世代の独身者などが生活保護を受け始めると、年金や医療費にかかる社会保障費が更に重たくなって国の財政が極めて厳しくなるという記事だった。

確かに日本は第二次世界大戦で一旦社会がリセットされており、そこからのスタートだったので格差が少ない社会だったといえるだろう。また、累進課税や相続税が非常に重い為、格差が発生しづらい仕組みとなっている。

(その分、資産や知的人材が海外流出してしまい、国としての競争力が落ちてしまっているが)。

しかし、そんな環境においても格差は確実に拡大しつつあるだろう。というのも、子や孫に引き継がれるのは資産だけでなく、教育水準や通う学校を通じて得られる人的ネットワークも含まれる。

つまり、金持ちの子供は金もうけしやすい仕事につき、金を持っている友達がたくさんいるので、どう転んでもだいたい金持ちになるという仕掛けである。

格差社会の現実

テレビとかで格差社会が大変だ!とコメンテーターたちが口角泡を飛ばしながら議論しているが、そこに映っている人、そしてそれを撮影している人、だいたい皆年収が1000万円を超えており、かなりお金を持っているほうだろう。

要は、貧乏な人たちをネタにして稼ぐ下衆なやり方なのである。

先日テレビで見た定職についていない人の例だと、家賃2万円位の家に住んで、台所で水浴びをするシーンが放送されていた。風呂に入る金がないので、体をタオルで拭いて、頭を洗って終わり、という次第である。

また、別の番組では、マンガ喫茶に暮らす日雇いの人が映し出されていた。保証人がいないと家を借りられないらしく、狭いソファーの上でタバコを吸ったり、飯を食ったりするシーンが映し出されていた。

現実とは思えない光景だったが実際の光景なのだろう。格差が遺伝してしまった人たちが、まともに教育を受ける事が出来ず、かといってその格差を乗り越えるだけの知恵をつけてくれる人も周りにおらず、そのまま40歳になれば、もう追いつく事なんて不可能で、地を這うような生活をせざるを得なくなるのである。

↓ちなみに格差社会をどう生きるべきかについては、福沢諭吉が学問のススメで説いているところである。以下のバックナンバーもご参照。

【ご参考】福沢諭吉が学問ノススメで説いたこと ~実学と独立心~

崩壊する年金制度と社会保障

これから先も格差は拡大していく事だろう。小さいころに差がつけば、その差を大人になって縮める事は困難を極める。

ダイヤモンドが書いているように、拡大した格差は生活保護世帯を多く生んでいく事だろう。そして、年金や社会保障とのダブルパンチで国の財政は急速に悪化していく事は目に見えている。

やがて、インフレを起こして過去の借金を払っていくしか、この危機を乗り越えるしかなくなってくるだろう。また、これまでのように年金や社会保障が受けられるはずもない。2人で1人の老人を支えようと思ったら、老人に支払われる額を減らすしかないのは当たり前の事なのだから。

格差社会における高年収者の対策

年金や社会保障が崩壊していく中で、間違いなくインフレ気味になっていく為、現金の価値はジワジワと下がっていく事だろう。また、いつ何時お金持ちが持っている現金が国に狙われるかわからない。

よって、高年収者は今ある属性を活かして、将来的に資産を生み続ける資産を買い集めていくべきだろう。

それでは将来的に資産を生み続ける資産とは何があるだろうか?

都市型のボロ物件の未来

これから先、地方は人口減少が激しくなっていく。実際、私は毎週のように日本全国を飛び回っているが、地方都市でもちょっと田舎に行くと、シャッター街となった町がパラパラとみられ、確実に人口減少と高齢化が進展しつつあることが感じられる。

このような状況において、地方はRCだろうが、木造だろうが買うべきでないだろう。某××オン社や××パートナーとかは、超高額な地方物件を仲介していたりするが、今は明らかに買い時ではない。むしろ買ったら空室や修繕地獄で破滅する可能性もある。

今買いだと思うのは、都会に近いエリアで、程よくボロく安くて狭い物件である。一層都会への人口集積が進めば、雇用も継続的にうまれる。そこで働く人達向けに住まいを提供するビジネスは需要が底堅く推移するに違いない。

元々不動産でも、特にローンを組んで買うマイホームなどは負債、であり、固定資産は持たない、という信念を持っている事は以前述べた通りである。

【ご参考】ローン地獄に苦しむサラリーマンへの鎮魂歌

だが、将来的にキャッシュを生み続ける可能性がある資産であれば、当然それは買いであろうし、早いうちに投資しておくことが複利の効果を得る為に欠かせないと考える次第である。

物件購買に当たっての指針

よく不動産屋が「表面利回りが良いですよ」と言ってくるが、非常に表面的というか部分的にしか物事をとらえておらず苛立たしい。不動産ビジネスにおいて大切な事は、将来長きにわたってキャッシュフローを出せるかどうかであり、特に大切なポイントは以下の点であろう。

・表面利回り(こんなに取れる、でなくこれ以上稼げないラインと理解する)
・稼働率
・家賃(年々減少を考慮)
・売却時の資産価値(年々減少を考慮)
・修繕などの経費(年々増額)
・固定土地税
・所得税

これらを全て考慮してプラスに持っていけると判断できれば、その物件に投資すべきだろう。

格差が拡大し、社会保障が維持できなくなりつつある社会において、自分の身を守るには、自分の頭で考えて行動する必要がある。経済が破綻した場合、安倍内閣打倒!と叫ぶ無責任な人たちだけがリスクを負うのではなく、国民全員が悲惨な目に合う。

そんな時代が来たとしても、豊かに生き残るのは家族や親族を背負う人間にとっての責務ではないかと思う次第である。

以上


この記事を書いた人
りーぶら
りーぶら30代、都内在住、男性。

大企業に勤務するサラリーマンで、M&Aを手がけたり、世界を飛び回ったりしている。ぬるま湯に浸かって、飼い慣らされているサラリーマンが大嫌い。会社と契約関係にあるプロとしての自覚を持ち、日々ハイパフォーマンスの極みを目指している。歴史を学ぶことは未来を知ること、を掲げてしばしば世界を旅している。最近は独立して生きる力を身に付けるべく、資産運用に精を出している。好きな言葉 「人生の本舞台は常に将来に在り」

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